研究課題
本研究は、2023年10月より開始したため、バイオエアロゾルが多量に発生する春における現地での試料採取・調査は、2024年5月に予定している。このため、本格的な調査研究はそれ以降となるが、2023年度には、本研究開始以前に収集した既存データの整理と再解析を行った。具体的な研究実績は以下の3点である。1土壌断面・植生調査:代表的な植生地域(Bayan Unjuul、Tsogt-Ovooなど)において、これまでに取得した土壌断面・植生調査データを整理した。これをもとに、2024年5月にTsogt-Ovooにおける試料採取地点・方法などについて計画を立てた。2表層土壌採取:先行研究において、2013年にモンゴルの各植生帯で採取した試料のデータを整理した。それを補完する試料を2024年5月にTsogt-Ovooにおいて採取する計画を立てた。3土壌菌叢構造解析:2で採取した土壌試料から微生物由来のゲノムDNAを直接抽出し、そのDNAに含まれる分類指標になる遺伝子核酸塩基配列を、超並列シーケンサーを用いて解読したデータについて、バイオインフォマティクス解析(QIIME2)の様々な手法を用いて、菌叢構造を再解析した。4バイオエアロゾル採取:先行研究において、2014~2019年にTsogt-Ovooにおいて採取した試料のデータを整理した。それを補完する試料を2024年5月にTsogt-Ovooにおいて採取する計画を立てた。5バイオエアロゾル菌叢構造解析:4で採取した大気粒子試料についても、3と同様に菌叢構造の再解析を行った。ここで、大気中における菌叢の割合に着目し、砂漠化マーカーとなる門の候補を特定した。
2: おおむね順調に進展している
本研究は、2023年10月より開始したため、バイオエアロゾルが多量に発生する春における現地での試料採取・調査は、2024年5月に予定している。このため、本格的な調査研究はそれ以降となるが、2023年度には、本研究開始以前に収集した既存データの整理や再解析を順調に行った。このように、これまでの研究による問題点の洗い出しが終了しているため、2024年度の本格的な調査に向けて準備は整っている。
バイオエアロゾルが多量に発生する春における現地での試料採取・調査は、2024年5月に予定している。これに先立って、今までに取得した既存データの整理や再解析は終了し、問題点の洗い出しが終了しているため、今年度の試料採取・調査は順調に行われ、そのデータを解析することによって、砂漠化マーカーとなる門の発見や特定につながるものと考える。2024年5月に調査予定しているTsogt-Ovoo点については、牧が複数回の調査経験があり、熟知しているため、現地調査はスムーズに進むものと考えられ、さらに、同行するモンゴル人共同研究者、ポスドク、日本人学生などの協力を得ながら、効率的・集中的に調査を実施する。
本研究は2023年10月より開始したが、この時期以降冬季には、バイオエアロゾルが多量に発生する大規模イベントがないため、本格的な試料採取・調査は、大規模イベントの発生が期待できる2024年度春に延期した。現在のところ、現地における本格的な試料採取・調査は、2024年5月に予定しているが、これに伴って、経費のかかる土壌・バイオエアロゾル試料の遺伝子核酸塩基配列の解読は次年度に見送ったため、それ相応の経費を繰り越した。
すべて 2024 2023 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
Science of The Total Environment
巻: 912 ページ: 168818~168818
10.1016/j.scitotenv.2023.168818
Atmospheric Environment
巻: 315 ページ: 120135~120135
10.1016/j.atmosenv.2023.120135
ISEE Conference Abstracts
巻: 2023 ページ: -
10.1289/isee.2023.OP-216
SOLA
巻: 19 ページ: 269~273
10.2151/sola.2023-035
Dust and Health
巻: - ページ: 137~156
10.1007/978-3-031-21209-3