研究課題/領域番号 |
23KK0035
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡部 麻衣子 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 学術研究員 (60736908)
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研究分担者 |
竹崎 一真 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 特任講師 (10969736)
標葉 靖子 実践女子大学, 人間社会学部, 准教授 (40713269)
隠岐 さや香 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (60536879)
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研究期間 (年度) |
2023-09-08 – 2027-03-31
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キーワード | 技術利用 / ジェンダー / ジェンダドイノベーション / 身体 |
研究実績の概要 |
23年度は、研究代表のスウェーデンにおける研究拠点を整備し、受け入れ先であるウプサラ大学及びカロリンスカ研究所において、連携に関心を持つ研究者の開拓にも努めた。その結果、ウプサラ大学情報メディア学部のLina Eklund准教授、Helga Sadowski研究員、Beatrice Tylsted研究員、カロリンスカ研究所のJeanne Moor客員研究員も、本研究に積極的に協力くださる運びとなった。ウプサラ大学情報メディア学部の協力を得て、スウェーデンにおける健康管理アプリ利用に関する量的質的調査を実施することを決定し、現在Swedish Citizens Panelを利用した調査の準備中である。また、カロリンスカ研究所では、ジェンダードイノベーションに関わる研究として、医師の離職に関するスウェーデンと日本における量的調査を準備中である。 日本における量的調査(1回目)については首都圏在住の20代から80代以上までの男女10000人を対象とした日常生活における健康管理を目的としたウェアラブルデバイスの使用実態についてのパイロット調査として実施し、データを取得した。 スポーツにおけるフェムテック利用状況に関するフィールドワークについては、分担研究者の竹崎の実施してきたこれまでの調査をまとめながら、次年度以降の調査計画を立てた。またスウェーデンにおけるフィールドの開拓を行った。 欧州におけるジェンダードイノベーションに関するフィールドワークについては、分担研究者の隠岐が欧州で行ってきたインタビュー調査の結果を整理しつつ、次年度以降の調査計画を立てた。欧州におけるジェンダードイノベーションプロジェクトの役割の変容に着目している。 2024年2月6日に、研究協力者であるGriffin教授、Kublickiene准教授を基調講演者とするオンラインでのセミナーを開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
23年度は、海外連携の基盤作りが重要と考えていたが、研究協力者の大きな協力により、スウェーデンにおいて研究拠点を順調に作ることができただけでなく、研究協力者も増やすことができた。またスウェーデンにおいて、女子ホッケーチームに所属する日本人選手等との交流の機会を得て、スウェーデンにおけるフィールド開拓もほぼ順調に進んでいる。加えて分担研究者の標葉の協力により、23年度に計画していた量的調査は無事終えることができた。したがって海外連携研究は概ね順調に進んでいると考える。
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今後の研究の推進方策 |
24年度は、スウェーデンにおいて二件の量的及び一件の質的調査を、日本において一件の質的調査を実施し、データを収集する計画である。そのために、上半期は、スウェーデンではSwedish Citizens Panelの利用申請(倫理審査込み)および倫理審査、日本におけるパネル調査及び倫理審査の実施、下半期は両国での調査の実施を目指す計画である。日本での調査は、新たに分担研究者に加わった江口が担当する。 また25年3月初旬に、スウェーデンにおいて、スポーツにおけるフェムテック利用に関するフィールド調査、およびジェンダードイノベーションの状況に関する調査を実施する計画である。これと合わせて対面でのセミナーを、研究協力機関であるウプサラ大学及び/またはカロリンスカ研究所にて行う計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
スウェーデンでの研究拠点立ち上げのため、デスクトップ等を揃える予定でいたが、ウプサラ大学にてデスクトップ付きの研究室を提供いただいたために、これが不要になったことで、支出を抑えることができた。一方で、スウェーデンにおける調査実施プロセスを理解するのに時間がかかり倫理審査の申請が遅れたために、倫理審査の費用については次年度に繰り越すこととなった。加えて、次年度は新たに分担研究者を迎えるにあたり日本での調査について密に打ち合わせをする必要が生じた。そこで、繰り越した研究費の一部はそのための日本への渡航旅費に充てることにした。
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