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2023 年度 実施状況報告書

予混合回転デトネーションエンジンによる圧力ゲイン機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23KK0082
研究機関名古屋大学

研究代表者

松岡 健  名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (40710067)

研究分担者 川崎 央  静岡大学, 工学部, 准教授 (20802242)
伊東山 登  名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 助教 (50881215)
研究期間 (年度) 2023-09-08 – 2027-03-31
キーワード回転デトネーションエンジン / 予混合気 / 多孔質
研究実績の概要

最も激しい燃焼波であるデトネーション波を用いた回転デトネーションエンジン(RDE)は、高速燃焼によるシステムの小型高出力化と既存燃焼サイクルで最高の理論熱効率を実現する。本研究グループは、2021年7月にJAXA宇宙科学研究所の観測ロケットS-520-31号機を用いて、世界初の宇宙環境下でのRDE作動を成功させ、世界をリードしている(Goto et al., Journal of Spacecraft and Rockets, 2023)。しかしながら、非定常燃焼器特有の煩雑さによりRDEの潜在的優位性であるPressure Gain(PG)は実験的に確認されていない。本研究の最終目的はこの優位性を実験的に立証し、実用化研究へつなげることである。本国際共同研究では、JSPS国際共同研究強化(A)にて2022年度にCalifornia Institute of Technology内に設置した予混合RDE基礎実験設備を発展させ、PGを阻害する物理メカニズムを解明するための国際的な基礎研究フレームワークを形成することを目的とする。
当該年度は、名古屋大学内に新たに予混合RDE実験設備の構築を行い、以下に示す2つの成果を得た。1つ目は、RDE作動で使用予定の多孔質金属インジェクタを通過する予混合気質量流束のモデル化である。予混合RDEでは、混合気の点火時にインジェクタ上流まで火炎がさかのぼるフラッシュバックという現象が課題となる。その解決策として、金属多孔質材を選定し、模擬ガス(窒素ガス)を用いた流し試験を実施した。その結果、多孔質材内を等温過程と仮定したモデルとよく一致する結果を得た。また、その質量収束がRDE作動に必要流束を満たしていることも確認できた。2つ目は、予混合製造設備の構築である。ファンを用いた10分程度の短時間での予混合気生成の実現性が確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、予混合気製造設備の構築の見通しが立った点、および多孔質金属インジェクタの質量流束がRDE作動条件を満たしていることが確認できた点で、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

今後は、構築した予混合製造設備と多孔質金属インジェクタを組み合わせた予混合RDE実験設備を構築し、予混合RDE作動を実証することに尽力する。RDE作動条件(予混合気種および圧力、点火条件、燃焼器スケール)を明らかにする。また、透明な燃焼器を用いた自発光可視化実験を実施し、RDE作動時の支配パラメータである予混合気充填高さを評価する。

次年度使用額が生じた理由

当該年度は、多孔質金属インジェクタの質量流束モデルの構築を行い、回転デトネーションエンジン(RDE)燃焼器は作成しなかったため。次年度中に燃焼器を製作し、予混合RDE作動を実証する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] California Institute of Technology/Explosion Dynamics Laboratory(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      California Institute of Technology/Explosion Dynamics Laboratory
  • [学会発表] 予混合回転デトネーション燃焼器システムの研究開発2024

    • 著者名/発表者名
      須藤 直太郎,小山 雄太郎,松岡 健,伊東山 登,川﨑 央,渡部 広吾輝,笠原 次郎
    • 学会等名
      2023年度衝撃波シンポジウム
  • [学会発表] 予混合気回転デトネーションエンジン作動に向けた多孔質インジェクタの基礎研究2024

    • 著者名/発表者名
      小山 雄太郎,須藤 直太郎,松岡 健,伊東山 登,川﨑 央,渡部 広吾輝,笠原 次郎
    • 学会等名
      2023年度衝撃波シンポジウム
  • [学会発表] Design Considerations for a Premixed Rotating Detonation Combustor2023

    • 著者名/発表者名
      K. Matsuoka, D. T. Schoeffler, J. E. Shepherd
    • 学会等名
      9th International Colloquium on the Dynamics of Explosions and Reactive Systems (ICDERS 2023)
    • 国際学会
  • [備考] 研究代表者の研究業績

    • URL

      http://www.prop.nuae.nagoya-u.ac.jp/member03.html

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公開日: 2024-12-25  

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