研究課題/領域番号 |
23KK0105
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
奥村 正樹 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 准教授 (50635810)
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研究分担者 |
横山 武司 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (20719447)
村岡 貴博 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70509132)
松崎 元紀 徳島大学, 先端酵素学研究所, 助教 (90817040)
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研究期間 (年度) |
2023-09-08 – 2026-03-31
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キーワード | セクレトーム解析 / 分泌経路 / メゾスケール構造体 |
研究実績の概要 |
本課題では国内外の研究らとコンソーシアムを構築し、分泌経路におけるメゾスケール構造体プロファイリングとして、セクレトーム解析、細胞内構造解析、高感度検出法の開拓を目指している。分泌経路におけるメゾスケール構造体の輸送メカニズムを明らかにすることを目指し、安定なメゾスケール構造体のセクレトーム解析のためのプローブツール分子の開発を行った。細胞内構造解析に関して、細胞内でリボソームがどのように小胞体に新生ペプチドを導入するか、メゾスケールのリボソームのネイティブな構造取得を目指している。東北大学に細胞内のメゾスケール構造体を観察するために必要な、クライオFIB-SEMが導入された。この装置を用いて、細胞を切削しリボソームを観察するための技術基盤の確立を進めた。本装置の稼働は2023年度からであり、現在リボソーム以外のメゾスケール構造体の測定の可能性の有無を検証も進めている。クライオFIB-SEM後の、クライオトモグラフィー解析は海外の連携研究者との意見交換を行っており、装置稼働にあわせて2024年度以降海外での技術講習を検討している。高感度検出法の開拓に関して、小胞体内への新生ペプチド挿入後に起きるストレスセンサー分子のメゾスケール構造体形成と解離が関与するタンパク質品質管理について、改良型電気泳動法による分析技術を確立し、データ蓄積を進めた。本年度は、高感度検出法の開拓に関し米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校との共同研究を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分泌経路におけるメゾスケール構造体プロファイリングにおける3つのアプローチに対し、各専門性を活かしながらも、定期的にメゾスケール構造体解析の進捗に関し意見交換するだけでなく、国外の研究者らとも連携を図っており、相乗的に研究が進んでいる。当該年度は、1名米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校に滞在し、メゾスケール構造体の高感度検出法を改良した。以上の理由により、順調に進んでいると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
本国際共同研究コンソーシアムにおいては、分泌経路におけるメゾスケール構造体プロファイリングとして、セクレトーム解析、細胞内構造解析、高感度検出法の開拓を目指している。セクレトーム解析において、今後開発したプローブツール分子を小胞体へ適用し、メゾスケール構造体の解析と機能制御へ展開する。制御メカニズムを明らかにし、細胞内での理解へと拡げる。細胞内構造解析に関し、今後FIB-SEM装置を利用して、細胞の切削を行い、小胞体表面に局在するリボソームの構造解析を行っていく。FIB-SEMだけでなく、精製ミクロソームを用いた構造解析、さらには薄い細胞を用いて細胞内のリボソームをよりダイレクトに観察することが出来るように、試料調製の最適化を行う。メゾスケール構造体の高感度検出法の開拓に関し、小胞体内メゾスケール構造体について理解が進んだため、そのメゾスケール構造体とコラーゲンの相互作用に着目した分析を進める。具体的には、これまで困難だったコラーゲンの生化学的分析に関して、電気泳動法のさらなる改良によって簡便化を図り、ストレスセンサー分子との相互作用解析に取り組む。
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