研究課題/領域番号 |
23KK0165
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
上田 佳代 北海道大学, 医学研究院, 教授 (60444717)
|
研究分担者 |
戸野倉 賢一 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (00260034)
松島 理明 北海道大学, 医学研究院, 助教 (10443938)
大橋 勝文 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (00381153)
アタッチャ アティーシャ 北海道大学, 医学研究院, 助教 (10961328)
内藤 大輔 京都大学, 農学研究科, 助教 (30616016)
|
研究期間 (年度) |
2023-09-08 – 2027-03-31
|
キーワード | 泥炭地火災 / 大気汚染 / 認知機能 / 粒子状物質 / 健康影響 / 労働保健 / 環境疫学 |
研究実績の概要 |
2023年度は、現地での調査のための準備を中心に行った。まず、2023年9月にオンラインで日本側研究者およびインドネシア側研究者とキックオフ会合を開催し、研究の目的や方法についての確認を行った。これまでの保健センターへの受診者を用いた解析の進捗および泥炭地曝露濃度の推定について検討した。泥炭地火災の曝露評価について、現地での観測地点は限られていることや、機器の故障等により欠損値が多いため、これまでの曝露濃度の推定では、空間的なカバーが十分でないことが指摘されていた。この点について、現地へ小型PM2.5センサーを送付・装着し、観測を継続するとともに、衛星画像からの大気汚染濃度推定についても行い、精度の向上を目指している。 2024年2月には日本側研究者数名でパランカラヤ大学医学部を訪問し、インドネシア側の共同研究者Kahanjak医師および医学部の主要メンバーと現地の医師および医療関係者を対象に、調査で用いるMontreal Cognitive Assessment実施の講習会(講義および患者―医師役に分かれた練習)を行った。訪問時は雨季であったが、2023年の火災発生現場を訪問するとともに、パランカラヤ大学泥炭地管理国際研究センターを訪問し、泥炭地火災研究者であるKitso氏と面談をするとともに現地の消防団員より、火災時の消防体制、消火の状況などについての聞き取り調査を行った。さらに、現地の医療状況を把握するために、保健センターを訪問し、そこでの勤務医師より、泥炭地火災発生時の患者受診状況などについての聞き取り調査を行った。 また、現地での共同研究を円滑に進めるため、インドネシア大学に訪問し、泥炭地火災の研究者と面談し、調査に必要な手続き等についての確認を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、今後の調査に向けての手続きや準備を進めた。パランカラヤ大学およびインドネシア大学など、複数の関係部署を訪問し、研究実施の協力が得られることを確認した。
|
今後の研究の推進方策 |
消防隊員への調査に向け、倫理審査が必要となるため、今年度の聞き取り調査の結果を基に、詳細な調査プロトコルを作成している。調査では、パランカラヤ大学医学部の医師が中心となって行うことになるため、作成した調査プロトコルは英語だけでなくインドネシア語への翻訳も必要になる。翻訳作業は共同研究者(インドネシア側)とともに行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
インドネシア訪問について、スケジュールの関係上、同訪問地域で行う予定であった他の研究用務と日程を合わせて行ったため、その旅費の一部に他の研究資金を用いた。今年度用いなかった旅費は、来年度のインドネシアでの調査訪問費用に充てたい。また、観測機器を新たに購入する予定であったが、一部は既存の機器を活用することとなったため、今年度使用しなかった物品費の一部を次年度の大気汚染濃度観測機器や部品の購入に充てたい。
|