研究課題/領域番号 |
23KK0173
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
樋口 倫代 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (00547557)
|
研究分担者 |
高井 久実子 日本福祉大学, 看護学部, 助教 (30913636)
吉野 亜沙子 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 研究員 (00979784)
中川 弘子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (70738608)
水元 芳 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (20581630)
坂本 真理子 愛知医科大学, 看護学部, 教授 (70285237)
淺野 いずみ 愛知医科大学, 看護学部, 講師 (80643494)
|
研究期間 (年度) |
2023-09-08 – 2028-03-31
|
キーワード | 社会疫学 / 質的研究 / 小児低栄養 / 地域保健 / 東ティモール |
研究実績の概要 |
ステップ1(公的報告書レビュー)については、報告書の収集を開始した。 ステップ2(公的横断調査の二次データ分析)については、分析予定としていた2019年調査のデータセットが未だ公開されておらず、既に入手していた2016年度調査データセットでの二次分析を1課題実施した。乳幼児期の紛争経験は成人女性の低栄養とその女性が出産した子どもの出生時低体重と有意に関連していたが、女性が出産した5歳未満児の低栄養とは関連していなかった。この結果は英文誌投稿し現在査読中である。また、2019年調査のデータセットが公開されていない理由を確認している。 ステップ3(ポジティブな逸脱者に着目した質的分析)については、ステップ4(地域データベースシステムの構築と疫学的横断調査)のパイロット横断調査と合わせて混合研究として計画した。まず、海外共同研究機関(東ティモール・パーツ大学)から2名の研究者を研究代表者の所属機関に招へいして、質問票作成などを中心に研究計画を立てた。次いで、研究代表者が渡航し、他の研究費で同時期に渡航した分担研究者、海外共同研究機関の共同研究者、研究協力者も交えて、具体的調査計画を作成した。2024年8月にパイロットとしての疫学横断調査、2025年1月に質的調査を実施することを合意し、研究代表者所属先と東ティモール保健省の2か所の研究倫理委員会への申請書作成に着手した。2024年5月に計画している次回渡航時に東ティモール保健省研究倫理委員会への申請行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ステップ1(報告書レビュー)は、報告書の収集が進行している。 ステップ2(二次データ分析)は、予定していた2019年調査のデータセットが入手できていないが、2016年調査のデータセットで1課題終了した。 ステップ3(質的分析)は、研究計画作成が2024年5月までには完了する予定である。 ステップ4(データベース構築と疫学横断調査)は、予定していた共同研究機関のフィールド実習での全戸訪問を活用する計画が、共同研究機関の学事スケジュールなどの理由で困難となった。しかし予定を変更して、首都のあるディリ県内でサンプリングによる疫学横断調査をパイロットとして先に実施することになり、その準備が進行している。 ステップ2で分析予定としていたデータセットが入手できず、ステップ4で計画の変更があった。しかし、いずれも代替の方法で進捗している。また、計画全体としてステップの順番が変更となっているが、おおむね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
ステップ1(報告書レビュー):2024年度は分析を継続し、必要があれば追加の情報収集を行う。2025年度中に執筆と報告を完了する。 ステップ2(二次データ分析):2019年度調査のデータセットが公表される見込みがない場合、入手済みの2016年度調査のデータセットで、女性および5歳未満時の栄養状態を目的変数、社会的要因を説明変数とした二次データ分析を継続する。 ステップ3(質的分析)とパイロット疫学横断調査を合わせた研究倫理承認を、研究代表者の所属機関と東ティモール保健省のそれぞれから2024年度前半に得る。 ステップ3(質的分析):2024年度後半(2025年1月ころ)に10人を目安としたデータ収集を行い、2025年度に分析、執筆、2026年度に英文誌投稿する。 ステップ4(疫学横断調査):パイロット疫学横断調査は2024年度前半(2024年8月ころ)に1,200世帯を目標にデータ収集を行い、ステップ3と並行して分析、執筆、英文誌投稿を進める。 ステップ4(データベース構築):当初計画と予定が逆転するが、パイロット疫学横断調査の進捗を見ながら、対象地とデータ収集方法を2025~2026年度前半に計画する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
疫学横断調査で使用する、身長計、体重計などの物品は調査年度である2025年度に購入するのが適切であると判断したため。2025年度分の助成金と合わせて身長計、体重計を購入する計画である。
|