• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

知性を繋ぐ人間中心の方法:生成系AIによる人間学習強化と含意への日独仏アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 23KK0188
研究機関大阪公立大学

研究代表者

黄瀬 浩一  大阪公立大学, 大学院情報学研究科, 教授 (80224939)

研究分担者 石丸 翔也  大阪公立大学, 大学院情報学研究科, 特任教授 (10788730)
Vargo Andrew  大阪公立大学, 研究推進機構, 客員研究員 (60869410)
岩田 基  大阪公立大学, 大学院情報学研究科, 准教授 (70316008)
研究期間 (年度) 2023-09-08 – 2026-03-31
キーワード生成AI / 人間学習支援 / 問題生成 / 錯乱肢生成 / 読書行動解析 / フェイク情報 / 検索行動解析
研究実績の概要

本研究は、生成AIを用いて人間の学習を支援するための国際共同研究である。
初年度である2023年度には、以下の研究を実施した。
(1) 英語4択問題の難易度調整:4択問題の錯乱肢を言語モデルを用いて生成することによって、学習者に応じた難易度とする手法を開発した。/ (2) 生成AIによる問題生成:英語学習者が英文を読む際に、理解が十分ではない箇所を検出し、内容が理解できているかどうかを、内容を問う問題を生成することにより、理解を促進する手法を開発した。/ (3) モバイルデバイスを用いた読書行動解析:スマートフォンを用いて英文を読む際に、スマートフォンの持ち方やスクロールなどの読書行動を解析することで、未知単語を自動推定する手法を開発した。その際、読む内容が学習者の興味を引くように生成AIにより作成した。/ (4) フェイク情報検出のための検索行動解析:表示されたテキストがフェイク情報を含むかどうかを確認するタスクを与え、検索行動を解析することにより、ユーザがフェイク情報を検出する能力を評価した。(5) 知識伝達時の理解度推定と分かったふりの検出:既学習者から未学習者に知識を伝達する際に、知識がうまく伝わったかどうかを判定する手法として、表情や視線、姿勢を解析することにより。未学習者(知識を受ける側)の理解度を推定することを試みた。また、特に日本人が外国人と会話する際に見受けられる「分かったふり」の検出が、知識伝達を保証する上で重要になるとの観点から、その検出も試みた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要で挙げた研究はすべてドイツ人工知能研究センター(DFKI)との共同研究により成されたものである。(1)については、日本で基盤となる技術を開発した後、研究を担当している学生を半年間の予定でDFKIに派遣し、現在、ドイツでこの手法を評価・拡張中である。(2)については、DFKIの元研究者で、現在は大阪公立大学に勤務するものとの共同研究である。(3)については、(1)と同様に日本で基盤となる技術を開発した後、研究担当の学生を半年間DFKIに送って、評価実験を行ったものである。(4)については、DFKIとの共同研究を新たに始めるため、研究担当学生を半年間DFKIに派遣して、DFKIの研究者とともに得た成果である。
このように、ドイツとの間での国際共同研究は着実に進んでいることから、おおむね順調と判断した。

今後の研究の推進方策

今後は上記に挙げた研究を継続するとともに、それをフランスとの共同研究にも広げて、さらに詳細な評価を行うとともに、拡充の手がかりを得ることを考える。加えて、生成AIを用いた、さらなる学習として、(1) 現在のものとは異なる形式の英語学習が可能かどうかを検討すること、(2) 英語学習だけではなく、他の科目の学習にも適用すること、などを進めていく予定である。(3) 研究実績の概要で述べた内容は、不足する知識の検出(Perceicing)、新しい知識の習得 (Mastering)に関するものである。今後は、これらに加えて習得した知識の伝達 (Transferring)の各種手法についても検討を進めていく。国際共同研究という形式にはなっていないが、すでに知識を伝達する際の理解度の推定方法、伝達の障害となるわかったフリの検出(いずれも表情や姿勢などを手がかりに推定する)への基礎的検討を終えている。今後はこれらを国際共同研究として実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

ドイツとの共同研究については、計画通り実施することができたが、それをフランスとの共同研究にも広げる際の準備に時間がかかり、人を派遣するところまで到達できなかった。ドイツに人を派遣する資金についても、2023年度は他機関からの支援も用いることができたことから、支出が限定的となっている。また、実験の謝金については、他の研究費により充当することができたことから、フランスを入れた国際共同研究のために繰り越して用いることとした。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] ドイツ人工知能研究センター(DFKI)(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      ドイツ人工知能研究センター(DFKI)
  • [国際共同研究] LISN, CNRS(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      LISN, CNRS
  • [国際共同研究] TU Delft(オランダ)

    • 国名
      オランダ
    • 外国機関名
      TU Delft
  • [国際共同研究] Monash University(オーストラリア)

    • 国名
      オーストラリア
    • 外国機関名
      Monash University
  • [雑誌論文] Personalizing Augmented Flashcards Towards Long-Term Vocabulary Learning2024

    • 著者名/発表者名
      Yuichiro Iwashita, Andrew Vargo, Motoi Iwata, Koichi Kise
    • 雑誌名

      Proceedings of Augmented Humans 2024

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1145/3652920.3653045

    • 査読あり
  • [学会発表] Personalizing Augmented Flashcards Towards Long-Term Vocabulary Learning2024

    • 著者名/発表者名
      Yuichiro Iwashita, Andrew Vargo, Motoi Iwata, Koichi Kise
    • 学会等名
      The Augmented Humans International Conference 2024
    • 国際学会
  • [学会発表] 錯乱肢の生成による英語多肢選択問題の適応的難易度調整2023

    • 著者名/発表者名
      内田 時央, Vargo Andrew, 黄瀬 浩一
    • 学会等名
      第22回情報科学技術フォーラム

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi