研究課題/領域番号 |
23KK0301
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
笹子 敬洋 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (20550429)
|
研究期間 (年度) |
2023 – 2025
|
キーワード | 性ホルモン / 老化 / 遺伝学 / 大規模データ |
研究実績の概要 |
本国際共同研究では男性ホルモン(アンドロゲン)の作用と各種疾患との関連の解明を目指すが、今年度はまず、アンドロゲン受容体の活性を規定するとされる、同遺伝子のCAGリピート数と、その下流に位置するGGCリピート数の定量から着手した。 まずカナダのBQC19コホートのデータを用いて、古典的な定量ツールであるTandem Repeats Finderと、比較的最近開発されたExpansionHunterによる予備的な解析を試みた。その結果、前者ではCAGリピート数が過大評価されてしまうことが早々に判明したが、後者では両リピート共に特に問題が見られなかった。アンドロゲン受容体遺伝子はX染色体上にあるため、解析の容易な男性をまず対象としたが、女性においても同様であった。 この予備検討は2000例超の規模で行なったが、引き続き英国のUK Biobankのエクソームシーケンシングと、全ゲノムシーケンシングのデータを用いて、まず男性に絞って両リピート数の定量を開始した。前者はおよそ21万例、後者は9万例の規模であるが、結果がほぼ出揃った段階にある。 併せて、年齢をはじめとする基礎的なデータに加え、アンドロゲンシグナルに関連する、総テストステロン、体組成や握力・歩行速度、骨密度、頭髪パターンといった形質や、前立腺癌、2型糖尿病などの病名データの取得も完了した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アンドロゲン受容体遺伝子上のCAG並びにGGCリピート数の定量法が確立し、またアンドロゲンシグナルに関連した形質や疾患との相関について、解析の準備がほぼ整った状態にある。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、両リピート数間の関連を明らかにすると共に、エクソームシーケンシングのデータを用いた場合と、全ゲノムシーケンシングのデータを用いた場合で、結果に差異が生じるかの検討も加える。併せて、各形質・疾患との関連の解析を、予定通り進めることとする。
|