| 研究課題/領域番号 |
24000003
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| 研究機関 | 慶應義塾大学 |
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研究代表者 |
樋口 美雄 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (20119001)
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| 研究分担者 |
山本 勲 慶應義塾大学, 商学部, 准教授 (20453532)
赤林 英夫 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (90296731)
直井 道生 慶應義塾大学, 経済学部, 准教授 (70365477)
大垣 昌夫 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (90566879)
MCKENZIE Colin 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (10220980)
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| 研究期間 (年度) |
2012-05-29 – 2017-03-31
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| キーワード | 経済格差 / パネルデータ / 応用ミクロ経済学 / 再分配政策 / 動学分析 |
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| 研究概要 |
本研究では、2つの柱を設けている。第1の柱「大規模なパネルデータの設計・解析・公開」については、わが国を代表する家計パネル調査「慶應義塾家計パネル調査(KHPS)」・「日本家計パネル調査(JHPS)」の実施・公開の継続、また、KHPS・JHPSのCross-sectionalおよびLongitudinalウェイトの作成、2つのデータを統合して分析するための統合用ウェイトの作成を行った。
第2の柱「応用ミクロ経済学の他分野領域からの多角的かつ動学的な経済格差研究」については、各研究班でKHPS・JHPS等を用い実証分析を行った。労働経済学班では、就業(雇用・失業)とライフイベント(結婚・離婚・出産)、働き方とワークライフバランス、企業での女性活用、就業条件と健康状態(メンタルヘルス)といった検証を進め、経済格差を多角的に研究した。教育経済学班は、KHPS・JHPSの子ども特別調査を用い、就学前教育と認知・非認知能力の関係について研究した。財政班は、ルクセンブルク所得研究へ提供する可処分所得プログラムの作成や、投票率の世代間格差を是正する世代別選挙区に関する研究、予算過程のあり方が予算規模に与える影響に関する分析等を進めた。資産ストック班は、中途解約可能なリース契約の賃料の期間構造の理論的解明と、定期借家と一般借家が共存する借家市場の賃料分析、防災資料の確認が地震保険加入に与える影響に関する分析を行った。社会保障班は、所得変動と社会への一般信頼に与える影響や、喫煙、運動習慣といった健康行動と医療費に関する分析を行い、社会保障制度の持続可能性、機能強化に関する研究を行った。企業パネル班では、企業の財務データ、地理データ、主要取引先情報を用いた企業属性と取引成立に関する研究、企業パネルデータを用いた女性雇用と企業業績の関係、メンタルヘルスと企業業績の関係等についての検証を進めた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
「慶應義塾家計パネル調査(KHPS)」と「日本家計パネル調査(JHPS)」を統合して分析できるようにするため、今まで別個のものとして作成していた調査票を統一化する作業を完了させ、1月に調査を実施することができた。それとともに、KHPSとJHPSを統合して分析できるようにするため、統合用のウェイトの作成を行った。さらに、各パネル調査のCross-sectionalウェイトとLongitudinalウェイトの作成も完成し、作成したウェイトの公開の準備を進めた。
研究班においても、各班、経済格差に関する多数の研究を発表することができ、平成26年7月に行われる20th International Panel Data Conferenceでは、KHPSとJHPSに関する特別セッションの実施が採択された。また、KHPSとJHPSの次世代調査の実施を計画しており、その足掛かりとして、平成26年1月に実施した調査では、調査対象者の家族関係の正確な把握を試みることができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
引き続き研究班ごとに多角的かつ動学的な経済格差に関する研究を行っていく。特に、平成26年度は健康・医療関連の研究を強化すべく、その分野における専門家を複数名招聘し、研究報告会を5回ほど開催する。さらに、平成26年度は、ルクセンブルク所得研究への継続的なデータ提供として可処分所得計算プログラムのマニュアル化を検討するとともに、コーネル大学が中心となり複数国のパネルデータが参加しているCross National Equivalent FileにKHPSとJHPSのデータを提供すべく、変数の整理を進めていく。また、平成26年7月に開催される20th International Panel Data Conferenceでは、KHPSとJHPSに関する特別セッションを実施し、KHPSとJHPSを用いた研究成果について、国際的に発表する運びとなっている。
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