研究課題/領域番号 |
24000004
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
手嶋 政廣 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (40197778)
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研究分担者 |
窪 秀利 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40300868)
深沢 泰司 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60272457)
井岡 邦仁 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (80402759)
折戸 玲子 徳島大学, 大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 講師 (80579417)
山本 常夏 甲南大学, 理工学部, 准教授 (40454722)
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研究期間 (年度) |
2012-05-29 – 2017-03-31
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キーワード | 宇宙線 / ガンマ線 / 宇宙物理 / 高エネルギー |
研究実績の概要 |
本研究計画では、MAGIC チェレンコフ望遠鏡(50GeV-10TeV)と Fermiガンマ線衛星(100MeV-100GeV) を使い、5 桁にわたる広帯域(100MeV-10TeV)で、銀河系内外の多くの極限的な天体を観測し、加速、ガンマ線放射の現場を今までに無い精度で捉える。宇宙線の起源を解明し、そのグローバルピクチャーを得ることを目的とする。さらに、高エネルギーガンマ線天文学の将来へむけ、CTA 計画 (大規模チェレンコフ望遠鏡計画)の準備研究として、CTA 23m 大口径チェレンコフ望遠鏡プロトタイプを欧州グループと共同で建設し、高エネルギーガンマ線による観測領域を深宇宙(z<4)まで拡げることを目的とする。
MAGIC 望遠鏡はアップグレードを完了し、さらにアナログステレオトリガーにより30-40GeVエネルギー閾値を実現し、深宇宙の観測行なうための準備をすすめている。 2012年度において、ペルセウス座にあるIC310 から驚くべき早い数分スケールのフレアーを観測し、さらに、超新星残骸 W51 からの>100GeVガンマ線放射を発見し、宇宙線陽子を加速していることを明らかにした。
また、2012年度には、CTA大口径望遠鏡1号機の建設へ向けて、分割鏡、PMT クラスターの量産を行ない、読み出し回路の量産準備を進めた。また、分割鏡の能動的光学補償システムのデザインを進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MAGIC 望遠鏡は2012年のアップグレード終了後、今までにない高い性能(検出限界0.6% Crab Flux)で順調に運転がすすんでおり、複数の活動銀河核、超新星からの>100GeV ガンマ線放射を発見している。CTA 大口径望遠鏡の建設準備も2016年への設置へ向けて順調に進んでいる。唯一の問題としては、CTA は大きな国際共同研究であり、北半球、南半球のCTAサイトの最終決定が遅れていることである。しかし、大口径望遠鏡設置予定の2016年より1年早く、2014年末には最終決定できる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定していた通り、MAGIC, Fermi での超新星残骸、活動銀河核、ガンマ線バーストの観測を継続する。特に、W44 から逃走する宇宙線の分子雲衝突からのガンマ線を観測中である。あらたな活動銀河核が多数発見されているが、より多くの活動銀河からガンマ線に宇宙線陽子由来の信号を探索を行なう。 CTA 大口径望遠鏡1号機の建設へ向けて、①分割鏡②PMTクラスター③読み出し回路の量産を進める。また、CTA 大口径望遠鏡の計算機シミュレーションを進め、望遠鏡性能を最大限に引き出す解析方法を樹立する。2016年度には予定通り、CTA 大口径望遠鏡1号機のコミッショニングをおこない、定常観測に入る。
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