研究課題/領域番号 |
24000013
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
岸野 克巳 上智大学, 理工学部, 教授 (90134824)
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研究分担者 |
大槻 東巳 上智大学, 理工学部, 教授 (50201976)
関口 寛人 豊橋技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (00580599)
光野 徹也 静岡大学, 工学部, 助教 (20612089)
江馬 一弘 上智大学, 理工学部, 教授 (40194021)
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研究期間 (年度) |
2013 – 2016
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キーワード | 窒化物半導体 / ナノコラム / 三原色 / LED / フォトニック結晶 / 超細線化 / ランダムレーザ / 選択成長 |
研究実績の概要 |
ナノ結晶効果の解明では、InGaN/GaNナノコラム発光機構の解明を進め、局在状態とキャリアダイナミクスに関わる諸々の物性パラメータを導き、エネルギーダイアグラムを考案し、複雑なInGaN発光過程の理解が深め、またその発光機構のコラム径依存性を探究した。ナノコラム細線化では、水素雰囲気異方性熱エッチング法を開拓し、最小径10nmの六角形型極微細InGaN/GaN量子ディスクのトップダウン作製に成功した。ナノコラムレーザとしては、誘電体多層膜反射鏡(DBR)(反射率(>99%))上に自己形成InGaN/GaNナノコラム結晶を成長することに成功し、その上部に誘電体DBRを作り付け、共振効果に起因するシャープなフォトルミネッセンス発光を得て、高Q値ナノコラム共振器への突破口を拓いた。一方、一次元グレーデットナノコラム構造の光励起レーザ発振の広いスペクトル(32nm)がランダムレーザに起因することを示し、スペックルフリーレーザ基礎特性を実証した。赤色域ナノコラムフォトニック結晶では、コラム径と周期が大きくなり、高効率化に有効なナノ結晶効果が減退する。これを克服すべく、クラスタ配列ナノコラムを発案し(特許出願)、クラスタ配列で発振波長546nmを得た。コラム径は100nmで三角格子配列の~200nmに比べて細く、クラスタ効果の有用性が示された。赤色域ナノコラム研究が進展し、希土類(Eu)イオン添加GaNナノコラムを活性層とするナノコラムLEDを作製し、Euイオンに起因するシャープな赤色発光(波長620nm, 半値幅7nm以下)を得て、電流変化(1-20mA)に対する高い波長安定性を実証した。ナノコラムはInGaN発光層の近くに金属を配置でき、表面プラズモン効果が発現し、発光効率向上が期待される。赤色域にプラズモン共鳴波長をもつ金膜をナノコラム側面に配置し、約5.2倍の発光増強を得た。
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