研究成果の概要 |
本研究プロジェクトでは、高等動物の情動・行動の発動メカニズムを、マウス嗅覚系を用いて、分子レベル及び神経回路レベルで理解する事を目的とした。 本研究では、長年の懸案であった「嗅覚受容体によって指令的に制御される嗅覚神経の一次投射のメカニズム」を最終的に解明し、続いて情動・行動発動の回路レベルの理解の為に、更に解明が困難と言われた嗅覚二次神経のシナプス形成と扁桃体への投射のメカニズムを明らかにした。本研究プロジェクトで得られた主な成果は次の通りである。 (1)嗅覚神経回路形成の基本原理の解明(一次投射)(Cell, 154, 1314, 2013) (2)嗅覚神経回路形成の基本原理の解明(二次投射)(Nat. Commun., 8, 15977, 2017) (3)単一糸球体の光活性化による恐怖行動の誘導(Nat. Commun., 8, 16011, 2017) (4)神経活動依存的に生じる糸球内でのシナプス形成の解明(Nat. Commun., 9, 1842, 2018) (5)嗅覚系に於ける臨界期と刷り込み記憶の解明(Nat. Neurosci., in revision)
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