研究課題
平成25年度における研究実施により以下の成果が得られた。A. 海馬におけるAMPA受容体発現の入力選択的・標識選択性とその制御機構:海馬錐体細胞が形成する興奮性シナプスには、通常のnon-perforatedシナプスに加え、シナプス後膜肥厚部に穴の開いた大型のperforatedシナプスがあり、活動性や可塑性発現の違いを反映しているのではと想定されている。本研究では、perforatedシナプスやパルブアルブミン陽性細胞上の興奮性シナプスにAMPA受容体が豊富に発現し、それがシナプスにおけるTARPg-2の発現量と相関し、その分子欠損により受容体の発現選択性が失われることを明らかにした。B. 線条体中型有棘細胞におけるVGluTサブクラスによるシナプス後部のAMPA受容体発現制御:海馬と異なり、線条体中型有棘細胞に入力するVGluT1陽性の皮質性シナプスとVGluT2陽性の視床性シナプスには、入力選択的なAMPA受容体の発現量比の違いがないことが判明した。今後、TARPg-2の発現量を検討する予定である。C. 黒質線条体ドーパミン投射系の係留接着とボリューム伝達による状況依存的伝達制御:ドーパミン投射系は、線条体中型有棘細胞上に発現するGABA作動性シナプス分子を足場として係留性接着を形成し、ドーパミンによるボリューム伝達の足場として機能していることが判明した。D. VGluT3による扁桃体陥入型シナプス伝達の活動依存的制御と恐怖記憶における役割:扁桃体基底核の錐体細胞上に形成されるVGluT3陽性終末はGABAとCCKを共放出する入力線維であり、錐体細胞の細胞体上に特異な陥入型シナプスを形成することが明らかとなった。
2: おおむね順調に進展している
当初の研究計画の項目のそれぞれについて、着実にデータを集積し、一部は論文投稿の段階に達しているため。
当初予定した研究計画を着実に実行し推進する。
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すべて 雑誌論文 (26件) (うち査読あり 26件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (10件) 図書 (2件)
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