研究課題
平成26年度における研究実施により、以下の成果が得られた。海馬シナプスにおけるAMPAR発現には、顕著な入力選択性と標的選択性が存在する。この選択的発現にはTARPg-2の選択的発現が関与し、その分子のノックアウトにより入力選択性と標的選択性が失われた。対照的に、TARPg-8のシナプス発現には選択性が乏しく、そのノックアウトにより海馬シナプスの基盤的AMPAR発現が低下した。線条体の主要なニューロンである中型有棘細胞は、皮質由来のVGluT1陽性シナプスと視床由来のVGluT2陽性シナプスを形成する。この両者のシナプスにおけるAMPARの入力選択性は無いため、その原因を追求した。その結果、海馬とは異なり、線条体ではARPg-2発現の入力選択性はないことが判明した。黒質のドーパミン投射線維は線条体中型有棘細胞に対して対称性シナプスを形成することが知られている。このシナプス伝達に関わる分子の発現を追求した所、シナプス前部はドーパミンの合成と放出・再取り込みに関わるドーパミン作動性を有するのに対して、シナプス後部はGABA作動性でGABAの伝達のGABAシナプスの接着分子を発現していた。この接着分子のノックダウンによりドーパミンシナプスは有意に減少した。一方、ドーパミン受容体は中型有棘細胞のシナプス外領域に広く発現していた。よって、ドーパミン投射線維はGABA作動性シナプスの接着分子を利用して係留接着を行ない、これを起点としてボリューム伝達に標的選択性を与えていることが考えられた。扁桃体基底核には、内在性カンナビノイド伝達分子が高密度に集積し、陥入型シナプスを形成している。今回、VGluT3を発現するCCK陽性バスケット細胞がこのシナプスを選択的に形成することを明らかにした。
2: おおむね順調に進展している
当初の研究計画の項目それぞれについて、着実にデータを集積し、一部は論文投稿の段階に達しているため。
当初予定した研究計画を着実に実行し推進する。
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すべて 雑誌論文 (41件) (うち国際共著 6件、 査読あり 41件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (11件) 図書 (1件)
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