研究課題
昨年度までの研究で開発に成功した高バースト耐性高速HV切替MWPCと小型電磁石を組み合わせてスペクトロメータを構成し、J-PARC MLF D2実験エリアにおいて総合動作試験を行った。試験は2017年3月と6月に実施し、MWPC全4台とも安定して動作することが確認できた。また、MWPCからの全信号の波形記録を取りこぼし無く正常に記録できることも確認された。D2エリアにおける試験では、本実験における主要なバックグランドの一つであるDecay-in-Orbitを起源とする電子の中間運動量領域における運動量スペクトル測定(DIOデータ)も行った。本実験データ解析に向けて、波形データから運動量スペクトルを導出する解析手法の開発を行った。データ解析ではまず、波形情報からHV切替による雑音を差し引くことによって荷電粒子による信号のみを抜き出し、隣り合った信号線の情報を合算することによって荷電粒子のヒット位置と時間を得た。次に4台のMWPCからのヒット情報を元にして粒子トラッキングを行い、荷電粒子の運動量を得た。得られた運動量分布はモンテカルロ計算による予想スペクトルとよく一致した。これらのことから、μ-e転換過程探索を行うための検出器システムの開発は一通り完了したと言える。DIO測定の後もMWPCの高度化作業を継続しており、京都大学原子炉実験所の電子ライナックを用いた試験ではMWPCの検出効率測定をおこない、98%以上の検出効率が達成されていることを確認している。物理測定における主要バックグランドの一つである遅延陽子起源のイベントに関して、J-PARC RCSの取り出し部にビームロスモニタを設置して継続的な観測を行ってきた。昨年度改良したビームロスモニターで長期間データを収集し、それを解析することによって遅延陽子比率に対するより厳しい制限を得ることが出来た。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 12件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (62件) (うち国際学会 11件、 招待講演 6件) 備考 (1件)
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