研究課題/領域番号 |
24226010
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研究種目 |
基盤研究(S)
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
澤田 和明 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40235461)
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研究期間 (年度) |
2012-05-31 – 2017-03-31
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キーワード | 集積化バイオセンサ / イメージセンサ / フィルタレス蛍光 |
研究概要 |
同一画素で,神経伝達物質・光・蛍光を検出可能な,マルチモーダルセンサをアレイ化し,細胞に存在するイオンチャネルの動き,働きを弁別できるマルチモーダルバイオイメージセンサのの実現を目指している. 製作を目指すマルチモーダルバイオイメージセンサは一般的な細胞の大きさに比べて十分小さな解像度 1ミクロン以下をめざし,フレームレートは,神経伝達物質が放出する時間数ミリ秒以下を目指している. H24年度はサブミクロンに向けたプロセス開発,システム開発,ならびにイオンイメージセンサの画素構成を検討進めてきた.従来の画素構成の単純化や構成の変更により,従来のイオンイメージセンサに比べて,画素寸法が10%以下に縮小できる見通しが立った.ただし,これはこれまで我々が従来立ち上げた2ミクロンイオンイメージセンサプロセスを用いた. 高精細,高画素密度イオンイメージセンサを用いて,細胞からの神経伝達物質をとるためには読み出し速度の向上も課題として,昨年度検討を進めてきた.その結果,各列にAD変換器を導入すること,並びに読み出し方法の再検討で10msec以下でフレームレートで読み出せる見通しが立った フィルタレス蛍光検出のためのプロセスの最適化が必要となり,Well濃度と深さの最適化を行い,シミュレーション上で最適化をおこなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
作製に関しての,ロットの投入が遅れたが,マルチモーダルイメージセンサの,微細化の設計ならびに高速化の見通しを立てることができた.また,フィルタレス蛍光検出のための,構造の最適化,並びにプロセスの検討も終了し,おおむね順調に進んでいると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は, H24, 25年度に検討を行った,0.18ミクロンCMOSプロセスをベースとして,超高精細のプロトタイプの試作を進める.また,高速化の検討は,実際に実際にコラムパラレルAD変換器を内蔵したディジタルイオンイメージセンサを設計,並びに試作を行う.さらに,蛍光検出能力向上に関しては, 平成24年度にシミュレーションで最適化を進めた条件で,本学のLSI試作工場で実際に作製し,その能力が向上することを確認する. また,このセンサの用途開拓を進めるため, 生理学関連研究者と連携し,海馬のスライスなどを利用して,チップとして必要な他の能力(対薬品性や時間的安定性)を検討する.
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