研究課題
SiC や GaN 等の次世代ワイドバンドギャップ半導体を用いて、従来のSi技術では到達できない極限環境で動作するパワーデバイスに実装するためには、異相界面における熱的、機械的、電気的に最適化された材料選択と界面設計指針が必要不可欠である。しかしながら本研究の開始当初には、その指針は全く示されていなかった。本研究では、研究代表者である菅沼克昭が開発して、世界初のハイブリッド自動車に採用されたDBA接合技術と、世界に先駆けた鉛フリー接合技術を元に、極めて厳しい環境で駆動できるパワーデバイスを実現する異相界面設計技術として、下記の新技術を開発している。①サブミクロン銀粒子を用いたポーラス焼結構造による応力緩和・高放熱接合構造の開発。形状制御した銀粒子及び、銅粒子の新規合成方法とそれを用いた耐熱接合技術。②純Znを用いた高耐熱接合方法の耐酸化性改善策の提案。③大電流負荷エレクトロマイグレーション(EM)の評価装置を完成し、Ag焼結合部材の評価を行なった。④極限温度サイクルにおけるウィスカ発生メカニズムを解明し、Ag蒸着薄膜では熱膨張による応力がマイグレーションを生ずることを発見した。この現象を利用して、大気中で低温・無加圧で完全な接合ができるストレス・マイグレーション(SM)接合方法を提案し、世界の注目を集めている。この現象のナノレベルでの解明を進めると共に、デバイス実装技術への展開を進めている。これらの研究結果を元に、Ag表面の酸化還元反応に注目した、学術的に新しい金属焼結現象メカニズムを提案すると共に、次世代パワーデバイスの実装に向けた接合界面設計の最適化を着実に進めている。これらの研究実績は多数の学術論文や学会発表、新聞発表などで情報発信されている。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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