研究課題
核融合炉の定常化に向けて“多階層複雑・開放系における粒子循環物理とマクロ制御”という観点で金属壁、境界プラズマ、コアプラズマ領域から構成される入れ子状の複雑系における粒子循環・密度・流速分布に関わるマクロ構造形成・伝達過程とその制御性を調べることを目的とした。これまでに、1)電子サイクロトロン波による非誘導電流駆動と定常維持、2)トカマク運転の定常運転と粒子循環制御法の開発、3)SOL領域のプラズマ揺らぎの特性と可視化および流れ計測、4)温度制御可能な高温壁の導入による壁循環の拘束 などを目標に成果をあげてきた。具体的には高周波による駆動電流値として、最終目標である高周波パワー1MWで駆動電流値100kAの駆動効率に対し、140kW で70kAと5倍の効率を達成することができた。これは電子サイクロトン波第2高調波を用いた非軸上電流駆動としては世界最高値である。また定常プラズマ維持に関しては、粒子注入周期帰還制御法の開発と循環レベル制御に加えて粒子応答関数の適用や高温壁による粒子循環の拘束を用いてトカマク放電時間820秒(壁温100度2015年), 6時間(壁温200度2016年)と着実に世界記録を更新している。予測性能を高めるための物理手法の開発とその背景素過程の理解のために、外部摂動と粒子循環の応答関数の決定、応答関数の時間発展や粒子循環確率密度分布を取得し、それらを利用した定常運転制御法を実証した。粒子循環とプラズマ流れの関係について、分光Doppler法、Machプローブ法、高速カメラ流速計法を独自に開発し、単純トーラス配位、内側ヌル点トカマク配位、リミッター配位など様々な磁場配位で自発回転の発現条件を確認した。これらは特に運動量注入のない高周波プラズマで観測されたものである。とくに強力なパフ注入により回転方向の反転(逆プラズマ電流方向)と順方向への緩和を確認した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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