研究課題
基盤研究(S)
Mg2+チャネル MgtEの膜貫通ドメインのみを2.4Å分解能で構造決定し、イオン透過孔中でMg2+は完全6 水和状態で認識・結合していることを明らかにした。また、Ca2+カチオン交換体CaCAの結晶構造を 2.3Å分解能で決定し、カチオン結合に依存した外向き開口構造・内向き開口構造の変換が起こる動的メカニズムを明らかにした。多剤排出輸送体MATEのアポ構造(中性条件下および酸性条件下)を2形、抗生薬剤ノルフロキサシンとの複合体、特異的阻害性環状ペプチド3種との複合体の結晶構造を最高2.1Åという高分解能で決定し、H+の結合に依存した薬剤の排出機構を解明するとともに、ペプチド創薬の道を開いた。ジペプチド輸送体POTの構造を1.9Å、ジペプチドアナログであるアラフォスファリンとの複合体構造を2.5Åという高分解能で解明し、H+の結合に依存したペプチド取り込み機構を明らかにした。膜タンパク質の膜組み込みに働くYidCの結晶構造を2.4Åで決定することに成功し、1回膜貫通タンパク質の膜組み込み機構を解明した。
1: 当初の計画以上に進展している
Mg2+チャネル MgtE、Ca2+/H+交換体CaCA、多剤排出輸送体MATE、ジペプチド輸送体POT、膜タンパク質の膜組み込みに働くYidCの結晶構造をLCP法による結晶化法を用いることで高分解能で決定し、変異体の機能解析とあわせることで、個々の動的な分子機構を明らかにすることができ、それぞれ論文投稿中、Scienceに掲載、Natureに掲載、PNASに掲載、Natureに掲載された。
各膜輸送体タンパク質の別のstateの結晶構造を、分子バインダーや抗体、特異的ペプチドを用いて固定し、構造解析することで、動的分子機構を可視化する。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 4件)
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