研究課題
各磁気共鳴用cold probe(SuperCOOLプローブ・日本電子製)を用いることで、高分解能のデータを微量で解析できるようになった。その結果、アミノ基キャリアタンパク質(AmCP)を介して生合成される新規非タンパク質性アミノ酸DADHが末端の水酸基がまずスルホン化され、その後αアミノ基がアセチル化を受けて生合成が進行することが明らかとなった。その後スルホン化によって活性化された末端水酸基とδアミノ基の間で三員環構造が形成され、それが非リボソーム型ペプチド合成酵素 (NRPS)にロードされ、α-βに二重結合が導入された後、アザビシクロ環が形成されると推測された。また、同じくAmCPを経て生合成されたDADHを用いて合成される化合物s56-p1もまた、アザビシクロ環を経て生合成されると予想されている。s56-p1はアザビシクロ環に付加した水酸基にグリオキシル酸ヒドラゾンがエステル結合している。この構造に含まれる窒素-窒素結合形成は、まだその形成機構が明らかになっていないが、そこに関わるであろう遺伝子群をs56-p1合成酵素遺伝子中に見出した。新規購入したcold probeによって、最初の反応がリジンのεアミノ基を水酸化であることを明らかにしつつある。タイプIIAmCP(AmCPII)が担う二次代謝産物の生合成についても、研究が進み、AmCPIIにグルタミン酸が付加した後に、リン酸化、還元を受け、グルタミン酸末端がセミアルデヒドになった後、C3化合物の付加、アミノ化が進行することが明らかになりつつある。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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