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2012 年度 実績報告書

医薬品の体内動態の種差:PETマイクロドーズ臨床試験による研究

研究課題

研究課題/領域番号 24229008
研究種目

基盤研究(S)

研究機関大阪大学

研究代表者

畑澤 順  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70198745)

研究分担者 下瀬川 恵久  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30370258)
渡部 浩司  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40280820)
加藤 弘樹  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20448054)
金井 泰和  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60397643)
研究期間 (年度) 2012-05-31 – 2017-03-31
キーワードPET / マイクロドーズ試験 / 種差 / 薬物動態
研究概要

本研究の目的は既に臨床的有用性が確立された多数の医薬品について、小動物とヒトで体内動態を測定し、種差の有無を検証することであり、平成24年度は環境整備に重点を置いた研究が行われた。平成24年度の研究計画についての進展状況は以下の通りである。
(1)PETマイクロドーズパッケージの構築:放射性医薬品の組織内への集積を定量するために血漿中の未変化体由来の放射能濃度を計測する必要があり、臨床PET 検査室内に専用の遠心分離器、高速液体クロマトグラフィ、放射線検出器、ウェルカウンターの整備を行った。今後のPETマイクロドーズ臨床試験においては血液試料中の未変化体の放射能濃度を経時的に計測し、正確な入力関数を求めることが可能であり、PETマイクロドーズパッケージとしての環境が整備された。
(2)有用性が確立された医薬品の標識合成:合成条件の最適化を行い、C-11 Donepezil(アルツハイマー病治療薬)、C-11 Phenytoin(抗てんかん薬)の安定した供給が可能となっている。
(3)実験動物でのPETマイクロドーズ試験:ヒトと同様の解析を可能とするために小動物用 PET/CT装置を大阪大学大学院医学系研究科附属PET分子センター内に設置し、定量評価のためのCT減弱補正や再構成条件の最適化を行った。その後、イソフルラン麻酔下にWisterラット4匹(♂、8週齡)に対して、C-11 Donepezilの経静脈的投与を行い、全身のPET/CTイメージングに成功した。その結果、ヒトで認められた心筋・膵臓・骨髄への高集積はラットでは認められず、むしろヒトでは認められなかった副腎への集積が高いことがわかり、薬物の体内動態の種差が確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

ヒトと小動物のいずれにおいてもPETマイクロドーズ試験を行うための基盤が整備され、特にC-11 Donepezilの小動物PETイメージングに成功し、ヒトとの体内動態の違いが明らかになった。また平成25年度にヒトでのPETマイクロドーズ臨床試験を行う準備が整いつつある。

今後の研究の推進方策

平成25年度はヒトでのC-11 Phenytoin(抗てんかん薬)を用いたPETマイクロドーズ臨床試験を開始するとともにC-11 Donepezil(アルツハイマー病治療薬)についても全身分布に重点を置いて研究を進める。また時間経過での動態解析と代謝物分析を行い、ヒトとラットでの種差の違いをさらに詳細に比較する。

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公開日: 2014-07-24  

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