研究課題
本年度はこれまで種差が確認された腫瘍PETトレーサー(F-18 FBPA)と抗アルツハイマー病治療約(C-11 Donepezil)について、さらに研究を進め論文報告した。1) FBPAはホウ素を含む人工アミノ酸化合物であり、癌細胞型アミノ酸トランスポーターLAT1への選択性が高い。本年度はF-18 FBPAのヒトでの全身動態をPETで解析した。正常例および悪性腫瘍症例を対象とした。ラット由来悪性神経膠腫細胞株へのF-18 FBPA集積がPETで実験的に確認された。悪性神経膠腫の臨床例でもF-18 FBPA PETで高集積が確認された。神経膠腫に関しては実験腫瘍と臨床例で種差がないことを明らかにした。正常人の分布について論文報告した。2) 事前に書面にて同意の得られた健常ボランティア(4名)について、C-11 donepezil micro dope PETの実施前に塩酸ドネペジルの1mgあるいは30μgを経口内服を行い、内服なしのボランティア群(10名)との比較を行った。内服群では経口投与量と血漿中donepezil濃度の有意な相関関係を認めた。PETでの全身の集積動態については1mg内服群、30μg内服群、control群の間に有意な差を認めなかった。これらの結果よりmicro-dose PETでは薬理量内服時の分布を反映することが示された。本研究により、これまで解析方法がなかった経口投与後の腸管吸収、全身分布、肝臓での代謝、腸管排泄、腎尿路排泄について、PETトレーサー法を用いて解析できることを明らかにし、論文報告した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件)
EJNMMI Res.
巻: 7 ページ: 16
doi: 10.1186/s13550-017-0263-6.
Eur J Nucl Med Mol Imaging.
巻: 44 ページ: 321-331
doi: 10.1007/s00259-016-3487-1.
J Cereb Blood Flow Metab.
巻: 37 ページ: 605-613
doi: 10.1177/0271678X16635183.
Asia Ocean J Nucl Med Biol.
巻: 5 ページ: 3-9
DOI: 10.22038/AOJNMB.2016.7513
巻: 6 ページ: 75
Ann Nucl Med.
巻: 30 ページ: 749-755