研究課題/領域番号 |
24240010
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村田 正幸 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (80200301)
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研究分担者 |
滝根 哲哉 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00216821)
荒川 伸一 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (20324741)
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研究期間 (年度) |
2012-05-31 – 2015-03-31
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キーワード | 情報ネットワーク / ネットワーク設計 / 機能創発 / 生物システム / 自己組織化 |
研究概要 |
トポロジーが有する構造の多様性を測る指標として、相互情報量に着目する。相互情報量は、情報理論における解釈では、確率変数 X、Y があった時、Y を知ることにより得られる X の情報量となる。相互情報量を、トポロジーの構造の一部 (Y に相当) を知ることで得られる残りのトポロジーの構造 (X に相当) の情報量と見立てることで、トポロジーが有する構造の多様性を測る。 相互情報量を用いてルータレベルトポロジを評価した結果、確率的に生成されるトポロジの相互情報量が小さいのに対し、多くのルータレベルトポロジの相互情報量が大きいことが分かった。また相互情報量の異なるトポロジを用いて、相互情報量 I が小さいとトポロジー構造が多様となり、またIが大きいとトポロジー構造に規則性が出現することを説明した。 さらに、多様性が低いルーターレベルトポロジーと、多様性を高めたトポロジーを用いて、トラヒック需要の変動が生じたときに必要となる回線設備量の増設量を評価した。シミュレーション結果から、相互情報量が大きく多様性を高いトポロジーの増設量が多様性の低いトポロジーの増設量に比べて少ないことを示した。そして、これはホップ長の違いのみによるものではなく、多様性の違いが一因にあることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画通り、トポロジーが有する構造の多様性を測る指標として、相互情報量を用いることの有用性を示した。 さらに、相互情報量を用いた自己組織化冗長性の概念と、故障耐性、成長耐性の評価に取り組み、相互情報量を高めたトポロジーが故障耐性、成長耐性に優れることをシミュレーション評価により示し、平成24年度目標を達成している。
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今後の研究の推進方策 |
回線による接続性だけでなく、回線容量も考慮した相互情報量指標を導入し、自己組織化冗長性に拡張する。 接続性および回線容量に関する冗長性概念を導入し、エンド間フロー量を考慮した成長耐性および故障耐性の評価を進める。
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