研究課題/領域番号 |
24240020
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
田中 弘美 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (10268154)
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研究分担者 |
佐藤 誠 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (50114872)
平井 慎一 立命館大学, 理工学部, 教授 (90212167)
島田 伸敬 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (10294034)
森川 茂廣 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60220042)
来見 良誠 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70205219)
小森 優 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80186824)
脇田 航 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (80584094)
赤羽 克仁 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教 (70500007)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ヒューマンインターフェイス |
研究概要 |
視触力覚データに基づく手技モデリングにおいては,手術器具を操作する手指の動作を深度データを用いて姿勢計測するアルゴリズムを実装し器具がない状態での姿勢計測を行った.2台のアクティブ深度センサーを用いて手技を進める術者を時系列計測するシステムを試作し,手術シミュレータを操作する医師の身体姿勢と動作を三次元計測し,計測データをもとに当該手技のプロセスモデルを,階層的状態遷移モデルとして書き起こし,体と両腕の動きを反映した特徴量を用いて当該手技のプロセスモデルの状態照合を試みた. 仮想実地訓練のための手技シミュレーション構築においては,大規模な仮想柔軟体の高速な変形シミュレーションを実現するために,対象物の非一様性や応力の分布状態に応じて,メッシュの空間的解像度をオンラインで更新することが可能な,適応的埋込み変形モデルを確立した.さらに,直方性および階層構造の利用による共回転系の変形計算の高速化を行った.さらに,適応的・階層型埋込み変形モデルに対する外科手技インタラクションを実現するため,適応的埋込み変形モデルの同期方法の検討を行った. 両手多指型触力覚提示デバイス開発においては、手の可動範囲を考慮し,16本のワイヤが操作中に干渉しないように、力覚提示領域が最大になるような最適なワイヤの張り方を検討した.手の力覚提示に必要なできるだけ小型なDCモータを選定し,フレームの剛性を保ちつつ軽量なフレームの設計を行った.これまでの研究成果から得られた制御手法を利用し,FPGAの制御ロジックを専用コントローラボード上に配置することで16本のワイヤ制御を実現するためのシステムの設計を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
視触力覚データに基づく手技モデリングにおいては,手指だけの場合にオフラインで5本の指と掌の姿勢を追跡するシステムを構築できた.道具の利用シーンのモデリングにノンパラメトリック教師学習が有効であることが確認でき,未知シーンについて当該モデルとの照合に基づいてシーン検出することができた.以上の成果について査読付き国際会議および国内の学術会議にて口頭発表した.また特定の手技についてのプロセスモデル解析を3次元時系列計測データから手動でモデルを構築でき,プロセスモデル中の各状態を記述する画像特徴量をいくつか検討する段階に到達している. 仮想実地訓練のための手技シミュレーション構築においては,変形シミュレーションの研究成果を学術雑誌や国際会議等に投稿して採録となっており,当初の想定以上に進展している.これに対して,外科手技インタラクションおよび適応的埋込み変形モデルの同期方法については,現在は手法の検討にとどまっているため,このような判定とした. 両手多指型触力覚提示デバイス開発においては,研究目的を達成するためには、両手操作可能な力触覚提示装置を実現する必要がある.両手操作可能なワイヤ駆動型力覚提示装置の設計について作業環境を想定し力覚提示フレームの設計を行った。研究計画に沿って,順調に設計開発が進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
視触力覚データに基づく手技モデリングにおいては,次年度は形状が既知の道具を操作している手指動作の3次元計測データからモデル追跡に基づいて手指と道具を分離しつつ姿勢推定を行う手法について研究を進める。プロセスモデルの構築については,体の形状や動きに加えて器具にかかる力やシミュレータから取得できる手技対象の形状変化を特徴量化して、モデル中の各階層における状態記述を行うことを研究する. 仮想実地訓練のための手技シミュレーション構築においては、適応的・階層型埋込み変形モデルの開発においては,適応的埋込み変形モデルの時空間適応化法の実装を行うとともに,埋込み変形モデルにおけるオンラインリメッシュの分割・統合の判断指標を考案・実装する.階層型変形シミュレーションにおいては,線形FEMによる変形モデルと,共回転系非線形FEM による変形モデルとを接続した,階層的な変形シミュレーション手法を考案・実装する.適応的・階層型埋込み変形モデルに対する外科手技インタラクションにおいては,埋込み変形モデルに対する,鉗子による把持反力計算の考案・実装を行う.脈管等の埋込み変形モデルに対する,鉗子による把持反力の計算手法を確立する.インタラクションの同時性の共有機構においては,適応的埋込み変形モデルの同期方法を引き続き検討するとともに,検討した同期手法を実装する. 両手多指型触力覚提示デバイス開発においては,これまでに設計・開発した両手力覚提示装置およびシステムを統合し評価を行う.まず、両手力覚提示の性能評価を行う.ワイヤの長さから計算される手の位置の測定精度を計測する.次に力覚提示可能領域における力覚提示の精度を計測し、力覚提示装置としての機能評価を行う. 次にVR世界における両手操作環境の評価を行う.
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