研究課題
本研究では,道具の使用,および論理や推論による問題解決能力を利用して行う「知的行動」の認識を目指してきた.この題材として調理を対象に,レシピ等の言語で表現される「概念的行動」と調理者を観測して得られる「表出動作」の関係を明らかにしてきた.このうち,「概念的行動」に関しては,H25年度までにレシピテキストから自然言語処理によって,作業の流れの構造を抽出したフローグラフのコーパスを整備した.「表出動作」についてはH26年度において,半自動でのタグの付与を行うことでデータセットの大規模化を図った.H27年度はこれまでに作成した上記データセットを元に機械学習を行い,手に取られり,置かれたりした物体を画像処理により自動的に認識する識別器を作成し,その性能評価を行なった.また,これをH25年度に構築した「概念的行動」の予測を行うシステムに識別器を組み込むことで,「表出動作」に基づく「概念的行動」の認識システムを構築した.H25年度に構築した概念的行動の認識システムでは入力として,フローグラフと,直前までに行われた「表出動作」の履歴を用いた.この段階では「表出動作」の入力は手動で行なっており,認識アルゴリズムも「表出動作」の認識結果が決定的に与えられることを前提としていた.このため,識別器の誤りに対する頑健性には改善の余地があった.今回「表出動作」の入力を識別器により自動化したのと平行して,「表出動作」の認識結果が非決定的に与えられた場合を想定して,「概念的行動」の認識アルゴリズムの改良について検討を行い,対外発表を行なった.自然言語処理としては手法や語彙ラベルの見直しによるレシピテキストに対する解析精度の向上を図った.この他,本研究課題に関連する応用システムを構築し,論文として発表するなど,積極的な対外発表を行なった.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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IEICE TRANSACTIONS on Information and Systems
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