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2013 年度 実績報告書

日本人の価値意識の変容に関する統計的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24240043
研究機関統計数理研究所

研究代表者

中村 隆  統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (20132699)

研究分担者 前田 忠彦  統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (10247257)
朴 堯星  統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 助教 (10583205)
尾崎 幸謙  筑波大学, ビジネス科学研究科(系), 准教授 (50574612)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2017-03-31
キーワード日本人の国民性 / 調査モード / 留置調査 / 面接調査 / パネル調査 / 東日本大震災
研究概要

平成25年度は,平成24年度に実施した二種類の調査(留置調査と面接調査)の結果を解析すること,および両調査協力者のうちの継続参加に関する同意者に第二回調査(留置法由来の第1層パネル調査と面接法由来の第2層パネル調査)を実施することが研究計画の中心であった。
1.平成24年度実施の二調査についての集計・解析
平成24年度調査の分析を行い,日本行動計量学会の特別セッションにおいて成果発表を行った(計5件)。それらのうちの一部は学術誌への英文投稿済みである。また同調査の報告書(基礎集計表を中心とする)を刊行した。これらの内容としては,(1)原発事故に対する不安感等の面で東日本大震災前後の日本人の意識の変化が見られるという調査結果,(2)調査における回収/未回収に調査地点に付随する要因が寄与することを示す研究,(3)地域活動への参加等の項目で大きな調査不能バイアスが生じていることを示唆する研究,(4)面接調査において,留置調査に比べてより社会的に望ましい方向への回答バイアスが生じたことを示唆する研究,等が含まれている。
2. 2層パネル・第二回調査の実施
平成25年12月~平成26年2月にかけて,平成24年度中に行われた第一回の調査協力者のうち,再調査の協力依頼に同意の得られていた3,019名に郵送調査法による協力を求め,2,187名から回答を得た(協力率72.4%)。有効回収/協力依頼数について,第1層パネル(留置法由来)は1,223/1,688(有効回収率72.5%),第2層パネル(面接法由来)は964/1,331(同72.4%)であり,協力率については,第一回調査が留置調査であるか面接調査であるかには依存していなかった。平成25年度中はその基礎集計のみを済ませたところであり,平成26年度前半に,第二回調査で得られた知見をまとめ,第三回調査対象者への説明等を用意する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1年度目の平成24年度には,若干の調査デザインの変更があったが,当初設定よりもより積極的にパネル調査の初期設定(第一回調査)として,2層分の対象者集団(一方は留置調査に由来する第1層パネル,他方は面接調査に由来する第2層パネルとなるべき集団)の実査を終え,2年度目である平成25年度中にはそれに基づく分析成果をいくつか学会報告等で公表している。特に調査モード間の比較研究(面接調査は非自記式,留置調査は自記式の違いがある)のために,従来研究との比較するとサンプルサイズが大きい条件で調査データを取得することができ,複数の項目で反応バイアス(特に社会的望ましさバイアス)と見られるモード間の差異を見いだすという成果が得られる見通しが立った点が大きい。
2年度目である平成25年度にはほぼ計画通りに,平成24年度調査の協力者のうち同意の得られている者を対象とする二回目の調査を実施することができ,協力率の点でもほぼ目標の水準を達した。しかし,時期的に開始が若干遅れたことと郵送法による調査であったために当初見込みよりも回収完了が若干遅延したことにより,当初計画であった平成25年度中の同調査の分析までは充分に進んでおらず,平成26年度への積み残しとなった部分がある。また二回の調査データを合わせた縦断調査としての分析については手つかずである。
以上のように,調査の実施面ではほぼ順調に進行したが,分析面に計画よりも多少遅れた点が残ることを勘案し,(2)おおむね順調との評価が妥当と考える。

今後の研究の推進方策

平成26年度は既に二回行われたパネル調査の結果を生かしつつ,調査の協力維持率を保ちながら第三回の調査を実施することが目標である。平成25年度中は,第一回の調査協力者のうち,再調査の協力依頼に同意の得られていた3,019名に郵送調査法による協力を求め,2,187名から協力を得た(協力率72.4%)。平成26年度は,この2,187名の協力者を対象として三回目の調査を行う予定である。
今後行うべきタスクは以下の通りである。
(1)過去二回分の調査データの解析: a)第一回調査は面接法と留置法という2種類の調査モードで実施したことを生かして,調査モード間の比較分析を強化する。b)一部項目は,「日本人の国民性調査」からの採用項目であることから過去からの時系列的な比較や他地域の調査との比較が可能であり,それらについては時系列変化と地域間比較を行う。c)二回の調査で共通に質問した東日本大震災前後の意識や行動の変化を問う分析に関するパネルデータ分析を行う。
(2)協力者へのフィードバック: 協力維持の動機付けを高めるために,三回目の調査協力対象者宛に過去二回の調査結果の概要をわかりやすく説明したパンフレットを郵送送付する。
(3)第三回調査の準備と実施: a)郵送調査による調査の具体的な手順を検討する。b)過去二回の調査結果を生かし,調査票の設計を行う。新規項目の導入なども検討する。c)郵送法により調査を実施する。調査実施管理は専門調査会社に委託する。d)基礎集計・分析を行う。また三時点の縦断データの編集を行い,次年度以降の解析に備える。
全般に,(1)の目標については,従来の学会発表を発展させて,いずれの課題についても投稿論文として仕上げることが重要であり,(3)の調査設計と合わせて充分に時間をかける。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 調査不能を考慮した回帰分析について2013

    • 著者名/発表者名
      伏木 忠義, 前田 忠彦
    • 雑誌名

      ISM Research Memorandum

      巻: No.1174 ページ: 1-8

  • [学会発表] 国民性に関する意識動向調査:計画と実施概要

    • 著者名/発表者名
      中村隆, 前田忠彦, 朴堯星, 尾崎幸謙
    • 学会等名
      日本行動計量学会第41回大会
    • 発表場所
      千葉県船橋市
  • [学会発表] 東日本大震災前後の意識変化について

    • 著者名/発表者名
      前田忠彦, 中村隆, 朴堯星, 尾崎幸謙
    • 学会等名
      日本行動計量学会第41回大会
    • 発表場所
      千葉県船橋市
  • [学会発表] 意識動向調査の回収状況に関する基礎分析

    • 著者名/発表者名
      松岡亮二, 前田忠彦
    • 学会等名
      日本行動計量学会第41回大会
    • 発表場所
      千葉県船橋市
  • [学会発表] 近年の社会調査における調査不能バイアスの調整

    • 著者名/発表者名
      伏木忠義, 前田忠彦
    • 学会等名
      日本行動計量学会第41回大会
    • 発表場所
      千葉県船橋市
  • [学会発表] 留置法と面接法による調査間の比較分析

    • 著者名/発表者名
      前田忠彦, 尾崎幸謙
    • 学会等名
      日本行動計量学会第41回大会
    • 発表場所
      千葉県船橋市
  • [学会発表] 日本人の国民性調査における帰属階層項目の分析

    • 著者名/発表者名
      前田忠彦,大﨑裕子
    • 学会等名
      第56回数理社会学会大会
    • 発表場所
      兵庫県西宮市
  • [図書] 国民性に関する意識動向調査(2012年度)報告書2014

    • 著者名/発表者名
      前田忠彦,中村 隆
    • 総ページ数
      210
    • 出版者
      統計数理研究所

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公開日: 2015-05-28  

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