研究課題
アカハライモリの資源・技術・情報基盤研究を様々な研究分野に展開するために、以下の項目について研究を行った。1.トランスジェニック(TG)適用技術の開発/実践適用 1)イモリの再生モデルとしての地位を確立すべく、眼と肢の再生について、TG技術を駆使した細胞追跡および遺伝子解析を実践した。肢再生について、イモリが他の両生類と異なり、幼生期と変態後の成体で再生メカニズムを転換することを明らかにした。成体イモリの高い網膜再生能力が網膜外傷性疾患の初期メカニズムを改変することで進化した可能性を明らかにした。水晶体の遺伝子発現が繰り返し再生によって影響を受けない(若い状態を維持する)ことを明らかにした。水晶体再生過程において虹彩細胞を追跡する実験系を確立した。以上の結果から、イモリの特殊性と有用性があらためて示された。2)遺伝子編集技術も導入し、アルビノイモリなど様々な分野に利用可能なイモリ系統を生産した。2.遺伝子情報の集積・解析/データベース 1)アカハライモリの全転写産物(mRNA)情報-TOTAL transcriptome-を、他の脊椎動物の遺伝子情報と比較することで特徴づけた(イモリはヒトの約90%の遺伝子に対応する相同遺伝子をもつ)。データベースIMORIにおいて組織特異的な遺伝子発現情報を公開した。2)比較transcriptome解析により、肢再生過程で発現するイモリ固有遺伝子の単離に成功した。再生、精子形成、嗅受容、胚発生において単一細胞レベルの遺伝子発現解析を始めた。今後、これらの成果を国際誌で発表することによるIMORIの有用性を示す。3.イモリの保護・保全/資源化 1)屋外自然繁殖施設(いもりの里)において、卵から亜成体まで効率よく飼育することが可能になった。今後、成体の維持条件を改善し、自然繁殖を試みる。2)研究活動への理解を深めてもらうため、市民向けイベントや公開講座を開催した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 3件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件) 備考 (5件)
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