研究課題/領域番号 |
24240069
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鄭 雄一 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30345053)
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研究分担者 |
大庭 伸介 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20466733)
酒井 崇匡 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70456151)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 再生 / 骨 / バイオマテリアル / シグナル分子 / 低分子化合物 |
研究概要 |
1.骨形成性低分子化合物の最適化と作用機序解析:【低分子化合物の最適化】骨分化を初期分化から後期分化までを切れ目無く促進する低分子化合物として、ヘッジホッグシグナルのアゴニストであるSAGと、独自に単離した化合物であるTHの組み合わせを同定した。【骨器官培養による確認】よりインビボに近い条件である骨の器官培養を利用し、胎生15.5日齢のマウスの中足骨を顕微鏡下で採取して、通常メディウム中にSAGとTHを添加したところ、著明な骨形成促進作用が観察された。【分子作用機序の解析】レポーターアッセイにより、SAGは予想通りヘッジホッグシグナルを刺激し、THはRunx2シグナルを刺激することが明らかになった。 2.低分子化合物と第一世代人工骨との相互作用制御:【低分子化合物搭載方法の検討】SAGとTHを、リン酸三カルシウム素材に搭載し、乾燥させたところ、SAGが12日間、THが35日間徐放された。SAGとTHの活性は、エチレンオキサイドガス滅菌後も保たれた。 3.動物実験での検証:【骨欠損・変形動物モデルの樹立】今後の臨床展開を考え、手足の骨での骨欠損・変形モデルを樹立した。まず、ラットの長管骨に、2㎜程度の穴をドリルで開け、ここに微小テトラポッド型の人工骨を10-20個埋植し、放射線学的(単純X線、マイクロCTなど)、組織学的(HE染色、フォンコッサ染色、テトラサイクリンラベリングなど)、免疫組織学的(I型コラーゲン、BSP、オステオカルシン、BrdUなど)に評価した。その結果、2週間程度では皮質骨は自然治癒しない骨欠損モデルが確立された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.骨形成性低分子化合物の最適化と作用機序解析:【低分子化合物の最適化】計画通り進行した。【骨器官培養による確認】計画通り進行した。【分子作用機序の解析】ほぼ計画通り進行した。 2.低分子化合物と第一世代人工骨との相互作用制御:低分子化合物搭載方法の検討】計画通り進行した。さらに滅菌が可能であることを明らかにした。 3.動物実験での検証:計画通り進行した。
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今後の研究の推進方策 |
全て計画通りに進行しており、このままの予定で推進する。
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