研究課題/領域番号 |
24240075
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
小西 聡 立命館大学, 理工学部, 教授 (50288627)
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研究分担者 |
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
殿村 渉 立命館大学, 理工学部, 助教 (50581493)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 培養細胞組織 / マイクロマシン / バイオ操作 |
研究概要 |
本研究では、創薬や再生医療への利用が期待される培養細胞組織の研究開発で今後重要な課題となってくる3次元組織の細胞集合体の扱い、特に培養環境における細胞集合体の観察や移動の際の操作に着目して研究に取り組んでいる。 初年度は、研究代表者が実績を有する2次元的な細胞シート移植技術のために展開した眼球内細胞シート移植マイクロマシン技術を発展させることから研究をスタートした。シリコンラバー製の圧力駆動型アクチュエータを集積化した多自由度マイクロマニピュレータを基本技術として、培養細胞組織操作への適用を進めることにした。本研究で培養細胞組織として着目する細胞集合体は、2次元的な細胞シートと異なり3次元組織であり、新たな課題の抽出を行いながら研究を推進している。 初年度の後半からは、移植用マイクロマシンの発展型に加え、流体制御機能を有したマイクロマシンも新たに提案・設計し、有用性を示すことに成功している。さらに、本体の研究開発に加え、培養系や分析系に関して連動して出てくる要求仕様への対応も進めながら、研究開発を推進している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究実施において、当初計画において3つのフェーズ(I,II,III)を設定している。第Iフェーズでは、現状保有技術を基盤に、新たな対象となる細胞集合体に対応したマイクロマシンと周辺機構からなる系(プロトタイプ)を構築し、試験研究を実施することを計画していた。次の第IIフェーズでは、第Iフェーズでの抽出課題に対応すべく研究内容を重点化し、課題の克服を図ることを計画していた。初年度では、第Iフェーズの目標であるプロトタイプの実現と細胞集合体を用いた試験研究(生体評価実験)も連携の上実施しており順調に進展しているといえる。さらに、初年度の後半からは、当初計画の移植用マイクロマシンの発展型に加え、流体制御機能を有したマイクロマシンも新たに提案・設計し、有用性を示すことに成功しており、その分第IIフェーズの内容も含んだ新たな展開による計画以上の進展があったと評価することができる。
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今後の研究の推進方策 |
研究実施において、当初計画において3つのフェーズ(I,II,III)を設定している。第IIフェーズの位置づけとなる本年度は、昨年度構築した第1プロトタイプの評価を本格化する。当初計画の移植用マイクロマシンの発展型に加え、流体制御機能を有したマイクロマシンも新たに提示しており、第IIフェーズの研究内容を前倒した展開が可能となってきている。本年度は生体評価を通した有用性の評価確立あるいは未知の課題の顕在化と対策を重視し、研究開発を進める。マイクロマシン本体の研究開発に加え、周辺機構について、昨年度試作の装置の改良、ディスペンサの導入により機構の強化、改良を図る予定である。今期は、第IIフェーズの内容を中心に研究を進め、第IIIフェーズで計画している第2プロトタイプのための個別重点課題抽出を図る。
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