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2013 年度 実績報告書

膵島細胞と免疫抑制細胞とからなる複合細胞凝集体の形成とその移植

研究課題

研究課題/領域番号 24240078
研究機関京都大学

研究代表者

岩田 博夫  京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30160120)

研究分担者 平芳 一法  京都大学, 再生医科学研究所, 講師 (80199108)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードランゲルハンス氏島 / 膵島 / 糖尿病 / 移植 / 拒絶反応
研究概要

本研究では、免疫抑制効果を有するセルトリ細胞、制御性T細胞または間葉系幹細胞と膵島細胞から複合細胞凝集体を作成し、これを移植することで免疫抑制剤の投与を必要としない膵島移植を実現することを目指している。さらに、補体制御因子sCR-1 を分泌する細胞を作成し、この細胞と膵島細胞の複合細胞凝集体の移植を行い、異種移植をも可能にすることを目指す。(1)BALB/cマウスから膵島とセルトリ細胞を採取し、それらの複合細胞凝集体をストレプトゾトシン(STZ)の投与で糖尿病を誘導したC57BL/6の肝臓内に移植した。7匹中6匹で100日以上血糖値が正常化した。Transplantationに掲載され雑誌の表紙を飾った。(2)BALB/cマウスから膵島を採取しC57BL/6から制御性T細胞を採取し、それらの複合細胞凝集体を作製した。複合細胞凝集体をSTZの投与で糖尿病を誘導したC57BL/6の肝臓内に移植したところ、9匹中6匹が拒絶反応を受けることなく100日以上血糖値が正常化した。Transplantationに投稿中である。(3)間葉系幹細胞と膵島細胞から複合細胞凝集体:間葉系幹細胞と膵島細胞から複合細胞凝集体をROCK inhibitor Y-27632の存在下または非存在下で作成した。非存在下では両細胞が個別に凝集体を形成し、Y-27632の存在下では複合細胞凝集体内では間葉系幹細胞がコアに、周辺に膵島細胞が位置していた。また、リンパ球培養試験で間葉系幹細胞の免疫抑制効果を評価した。Tissue Eng PartAに掲載された。(4)補体制御因子sCR-1 を分泌する細胞の作製:補体活性抑制効果があるCR-1フラグメントを分泌する細胞を作成できたが、その補体活性抑制効果があまり高くなかったので、再度CR-1フラグメントのプラスミド作成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(1)セルトリ細胞と膵島細胞の複合細胞凝集体:マウス間の同種移植で長期生着を実現した。Transplantationに掲載され雑誌の表紙を飾った。初期の目的を達成した。(2)制御性T細胞と膵島細胞から複合細胞凝集体:マウス間の同種移植で長期生着を実現した。Transplantationに投稿した。初期の目的を達成した。(3)間葉系幹細胞と膵島細胞から複合細胞凝集体:複合細胞凝集体形成にROCK inhibitor Y-27632の影響を見出すなど予想外の展開があったが、Tissue Eng PartAに掲載された。順調に研究が進んでいる。移植実験が残されている。(4)補体制御因子sCR-1 を分泌する細胞の作製:補体活性抑制効果があるCR-1フラグメントを分泌する細胞を作成できたが、その補体活性抑制効果があまり高くなかった。再度CR-1フラグメントのプラスミド作成した。当初の計画から少し遅れている。(5)ラット間の同種膵島の皮下移植:ラット間の同種膵島の皮下移植:免疫抑制剤の非使用下でも長期生着を得た。American Journal of Transplantationに掲載された。

今後の研究の推進方策

おおむね計画どおりに順調に進んでいるので、計画に大きな変更を加えることなく進める。
(1)セルトリ細胞と膵島細胞の複合細胞凝集体:終了(2)制御性T細胞と膵島細胞から複合細胞凝集体:終了。(3)間葉系幹細胞と膵島細胞から複合細胞凝集体:ROCK inhibitor Y-27632の存在また非存在下で作成した複合細胞凝集体の移植実験を行い、その免疫抑制効果を調べる。(4)補体制御因子sCR-1 を分泌する細胞:CR-1の細胞外部分のほぼ全長を分泌する細胞の作製を行う。(5)ラット間の同種膵島の皮下移植:免疫学的な解析の容易なマウス間の同種膵島移植に展開する。長期間生着する機構の免疫学的な解析は萌芽研究で行う。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Transplantation of co-aggregates of Sertoli cells and islet cells into liver without immunosuppression.2014

    • 著者名/発表者名
      Takemoto, N., Liu, X., Takii, K., Teramura, Y., Iwata, H.
    • 雑誌名

      Transplantation

      巻: 97 ページ: 287-293

    • DOI

      10.1097/01.TP.0000438198.76531.03

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Immobilization of Sertoli cells on islets of Langerhans.2013

    • 著者名/発表者名
      Takemoto, N., Teramura, Y., Iwata, H.
    • 雑誌名

      Biomater. Sci.

      巻: 1 ページ: 315-321

    • DOI

      10.1039/C2BM00048B

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Inhibition of instant blood-mediated inflammatory responses by co-immobilization of sCR1 and heparin on islets.2013

    • 著者名/発表者名
      Luan, M. N.; Iwata, H.
    • 雑誌名

      Biomaterials

      巻: 34(21) ページ: 5019-5024

    • DOI

      10.1016/j.biomaterials.2013.03.041.

    • 査読あり
  • [学会発表] Prolonged islet allograft survival after transplantation into pre-vascularized subcutaneous site without immunosuppression.2013

    • 著者名/発表者名
      Nguyen, M.L., Iwata, H.
    • 学会等名
      14th World Congress of International Pancreas and Islet Transplant Association (IPITA)
    • 発表場所
      Monterey Plaza Hotel(Canada, Monterey)
    • 年月日
      20130924-20130927
  • [学会発表] Co-aggregates of Sertoli cells and islet cells allow long-term graft survival in liver without immunosurppression.2013

    • 著者名/発表者名
      Takemoto, N., Liu, X., Takii, K., Iwata, H.
    • 学会等名
      14th World Congress of International Pancreas and Islet Transplant Association (IPITA)
    • 発表場所
      Monterey Plaza Hotel(Canada, Monterey)
    • 年月日
      20130924-20130927
  • [学会発表] Layer-by-layer Co-immobilization of soluble complement receptor 1 and heparin on islets.2013

    • 著者名/発表者名
      Nguyen, M.L., Iwata, H.
    • 学会等名
      第62回高分子学会年次大会
    • 発表場所
      京都国際会館(京都市左京区)
    • 年月日
      20130529-20130531
  • [学会発表] 免疫抑制剤を用いない膵島移植法へ―セルトリ細胞の利用可能性―.2013

    • 著者名/発表者名
      竹本直紘,劉喜宝,滝井健人,岩田博夫
    • 学会等名
      第62回高分子学会年次大会
    • 発表場所
      京都国際会館(京都市左京区)
    • 年月日
      20130529-20130531

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公開日: 2015-05-28  

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