研究課題
膵ランゲルハンス氏島(膵島)細胞と制御性T細胞(Treg細胞)との共凝集体を作成し、それを経門脈的に糖尿病モデルマウスの肝臓内へ移植することを試みた。25年度の下期にTransplantationに投稿しところ、査読者から種々の指摘をもらい本年度(26年度)は、その対応の実験を行った。具体的には、①共凝集体の作成時に4日間in vitroで培養を行う。形成された共凝集体内のTreg細胞の比率をFACSと蛍光組織像で検討したところ、約12%のTreg細胞が残存していた。②糖尿病モデルマウス(C57BL/6)に共凝集体400個を同種異系移植(Balb/c -> C57BL/6)したところ、100日以上血糖値が正常化した。このマウスから肝臓を取り出し蛍光組織像を観察したところ、移植後120日においてもインスリン陽性細胞の集塊が観察された。Transplantationに再投稿し受理された。間葉系幹細胞と膵島細胞との共凝集体の作成とその移植に関しては、皮下への同種異系移植(Balb/c -> C57BL/6)の系で検討を進めたが、安定した共凝集体の生着を実現できなかった。現在も検討中である。膵島の皮下については、皮膚がマウスと比較して厚いラットをモデル動物に用いた実験を行った。F334ラットから膵島を分離してストレプトゾトシンで糖尿病を誘発したACIラットへ移植する系を用いた。ACIラットの皮下に環状ペプチド(SEK-1005)含有アガロースロッドを埋め込むことで皮下に血管網が豊富な組織を誘導し、その部位にF334ラットから分離した膵島3000個を移植した。レシピエント10匹中8匹では移植膵島は拒絶を受けることなく血糖値が長期間正常化した。皮下にTreg細胞が誘導されこれが拒絶反応の防止に重要な役割を果たしていることを明らかにした。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 2件)
Transplantation
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