研究課題
1)運動と糖質・蛋白質摂取の併用が体力と炎症性遺伝子に及ぼす効果:平成24年度に、中高年者45名を対照群、低・糖質蛋白質摂取群、高・蛋白質摂取群の3群に、それぞれ15人ずつにわけ、5ヶ月間のインターバル速歩トレーニングを実施し、その前後で筋力、持久力、血漿量、血漿蛋白質量、耐糖能、腎のNa+再吸収能、体温調節能を測定した。平成25年度に白血球から炎症促進遺伝子のメチル化を測定した結果、一部の遺伝子で高・蛋白質摂取群でメチル化が起きていることが明らかになった。そこで、対照群12名、高・蛋白質摂取群12名でゲノムワイド解析を行い、現在結果を解析中である。2)運動と糖質・蛋白質摂取の併用による血漿量の増加が血圧調節に及ぼす効果:血漿量増加は、体温調節能の改善には有利に働くが、血圧調節には不利に働くのではないか、という高血圧症を専門とする研究者からの指摘があったので実施した。平成25年度に、中高年者20名を糖質摂取群、糖質・蛋白質摂取群の2群にそれぞれ10名ずつにわけ、2ヶ月間の自転車運動を実施したところ、トレーニング後に、糖質・蛋白質摂取群は糖質摂取群に比べ、筋力、血漿蛋白質量、血漿量が増加し、体温調節能も上昇することを確認した。今年度は、この増加した血漿量が、血圧調節に及ぼす影響について検討した結果、糖質・蛋白質摂取群で動脈コンプライアンス、血圧反射がともに上昇し、動脈血圧はむしろ低下した。以上から、運動トレーニングと糖質・蛋白質摂取の併用は、筋力強化、炎症反応抑制を介してインシュリン感受性を改善し、血液量増加、体温調節能改善をもたらし、中高年者の熱中症を予防するという仮説を支持する結果を得た。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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