研究実績の概要 |
本研究は、「幅広い体力年齢の高齢者に適応可能なサルコペニア予防と介護予防のための身体活動基準の作成・評価」を、亀岡市在住高齢者全員を対象とした大規模コホート(亀岡スタディ)で行うものである。 科研としてH24-27の4年間であるが、実は、ベースライン調査として、H23に要介護3~5を除く65歳以上高齢者全員(18,231人)を対象にした生活圏域ニーズ調査(回答者13,141人:72.1%)を実施している。H24には、この調査の回答者のうち介護認定者を除く約1,1000人を対象にした食事や運動習慣等を含めた追加調査(回答者約8000名)を行い、H25にはこの8000名に対し、3軸加速度計内蔵活動量計・簡易生活記録マークシートを配付し、約5000名の身体活動量のデータを収集した。一方で、介護予防(サルコペニア予防・フレイル予防)プログラムの作成とその効果の検証のために、H24・25には、亀岡市23地区のうち10地区を選び、希望者約1300名の身体機能(体力)調査を行なった後、約1000名(介入群・非介入群各500名)に対して3ヶ月のRCTによる運動介入と1年間のフォローアップを行い、効果を検証した。H26には、ベースライン調査の、H27値は追加調査のデータクリーニングを行い、各種調査データとの連結が可能となった。 H27には、クリーニングの済んだデータを用い、亀岡市高齢者におけるフレイル発症率(非該当、プレフレイル、フレイル)の検討や、フレイル発症率とその後の要介護認定状況、身体活動量とフレイルとの関連等の検討を行い、現在、論文作成中である。また、医療費については、特に広域連合が関与する後期高齢者医療の個別データの収集が難しい状況にあるが、最近、亀岡市の市長と関係部署の合意のもと、医療費検証事業プロジェクトが立ち上がった。このようなシステム構築により、幅広い高齢者に適応できる身体活動基準の提示が可能であり、コホート研究をさらに進める必要性が高まっている。
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