研究課題/領域番号 |
24240095
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研究機関 | 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) |
研究代表者 |
小野 栄一 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 障害工学研究部, 研究部長 (80356732)
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研究分担者 |
筒井 澄栄 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 障害福祉研究部, 研究室長 (20285969)
蔵田 武志 独立行政法人産業技術総合研究所, サービス工学研究センター, 研究チーム長 (20356934)
大西 正輝 独立行政法人産業技術総合研究所, サービス工学研究センター研究, 研究員 (60391893)
尾形 邦裕 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 障害工学研究部, 流動研究員 (40641436)
植山 祐樹 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 障害工学研究部, 流動研究員 (30710800)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 衣環境 / 障害者衣服 / 座位 / 体形計測 / バーチャル |
研究概要 |
昨年度の主な研究計画は、(1)平成24年度に開発したダミーの改良、およびそのための人体計測データの収集、(2)病院内でも計測可能なコンピュータビジョンを用いた普及型デジタル計測システムのプロトタイプの研究開発、および着装シミュレーションの研究開発(3)局所手動計測器の開発および普及型計測システムとの連携の検討、(4)開発したダミーを利用した座位姿勢での採寸技術の検討、および(5)障害当事者を対象とした座位姿勢の計測、および衣服製作による計測システムの評価、の5点であった。 (1)については、理学療法士である研究分担者と障害を持つ衣服製作経験者の意見をもとに上半身と臀部の改良を行った。また、ダミーに着装された衣服の評価法の探求し、形状以外には衣服圧に着目し、圧力センサの要素デバイスの検討・試作を行った。 (2)については、まず、服の型紙を作成するための基礎データとしてRGB-Dカメラを用いて太ももの形状を計測し円や楕円のモデルに当てはめることで着座姿勢のまま非接触で太ももの周囲の長さを推定する機能を実装した。MR着装シミュレーションシステムについては、産総研一般公開でのデモ展示を通じて、必要とされる仮想カメラ視点などに関する課題抽出を進めることができた。関節運動に対応した服モデルの変形機能を実装した。 (3)については、局所的に人体に面状に接触して形状を測定する局所手動計測器を試作した。これは、(2)のような方法を使用した際に衣服のしわ等によって十分な精度が保障できない部位が局所的に存在してしまうため、無線通信による連携によって、その精度を補完するためのものである。 (4)(5)については、(1)~(3)の進捗状況に鑑み、次年度に繰り越し検討することした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画よりやや遅れている。しかし、障害者特有の形状にダミーを近づけることができた。また、形状以外の衣服評価の検討を行い、その結果、柔らかいセンサ素子を試作した。本年度は多数の素子を試作し、装着する予定である。さらに、局所的に人体に面状に接触して形状を測定する局所手動計測器とコンピュータビジョンによる計測システムとの連携は、10月目途で進める予定である。 一方で、普及型デジタル計測システムのプロトタイプ開発が進んでいるが、現在の手法では誤差が15%程度あることから実際に用いるためにはさらに精度を高める必要がある。着装シミュレーションについては、服モデルの変形や、背景モデル、欠落部分の補間(インペインティング)の適用など、主に画質向上に関する進展があった。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に改良した普及型デジタル計測システムに局所手動計測器を連携し、計測システムの実用性を評価する。また、昨年度、その連携のための検討段階において、試作した局所手動計測器に要求される改善点がいくつか明らかとなったため、それらを反映した改良も実施していく。 普及型デジタル計測システムによる計測をもとに衣服を製作し、着装シミュレーション技術の整合性を確認する。 障害当事者をデジタル採寸し、座位姿勢を体系化する上での予備データを得る。 平成25年度に改良したダミーにセンサを装着し、試作した衣服や既製服の評価法を検討する。 座位姿勢でのバーチャル着替え・着装インタフェース技術のユーザスタディ(主観評価)を行い、衣服製作支援への応用について研究を進める。また、データベース構築の効率化も目指す。
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