研究課題/領域番号 |
24240101
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
銀島 文 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター, 総合研究官 (30293327)
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研究分担者 |
吉岡 亮衛 国立教育政策研究所, 教育研究情報センター, 総括研究官 (40200951)
田中 俊也 関西大学, 文学部, 教授 (40171780)
根上 生也 横浜国立大学, 環境情報研究科(研究院), 教授 (40164652)
飯島 康之 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (30202815)
日野 圭子 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (70272143)
磯崎 哲夫 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (90243534)
羽曽部 正豪 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (10218464)
寺田 光宏 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (40514641)
中山 玄三 熊本大学, 教育学部, 准教授 (40211437)
野瀬 重人 岡山理科大学, 理学部, 教授 (30309538)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 科学 / 教育課程 / イノベーティブ / 卓越性 |
研究概要 |
本研究は,科学者(根上生也,羽曽部正豪,吉村成弘),科学教育学者(銀島文,吉岡亮衛,飯島康之,日野圭子,磯崎哲夫,寺田光宏,中山玄三,野瀬重人,木村捨雄,鳩貝太郎,青山和裕),心理学者(田中俊也,高垣マユミ)の協働作業により研究を遂行している。なお,上述の研究分担者及び連携研究者と研究協力者は,研究遂行上の役割により数理班,理科班,心理班に所属している。今年度の研究実績は,以下の通りである。 科学教育学者が中心となり,他国の事例も含めた新しい科学教育の動向を考察した結果,新たな科学の本質(Nature of Science)が議論されていることや,分野の学際化から分野の再統合化(工学を入れたSTEMや,Advancing Physicsほか)へと新たな教育課程編成の在り方が模索されていることが明らかになった。 科学者と科学教育学者が中心となり,カリキュラムと学習コンテンツの開発に関して考察を進めた結果,これまでの概論的知識体系からイノベーションを基盤とした研究的知識体系を基盤にした新しいカリキュラムが提案された。また,数理班,理科班では,各々でコンテンツの具体例の開発に向けた構想が立てられつつある。それらのコンテンツの一部については,本年度に学校現場での実践が行われ,コンテンツの洗練作業が進められた。同時に,コンテンツを用いた実践を通して,「卓越性の科学」の教育課程編成理論を構築するための示唆の分析を進めた。 心理学者及び科学教育学者が中心となって進めた考察では,新しい能力論,目標論,心理学に立脚した認識形成論,評価論に関する最近の研究成果をレビューするとともに,学習コンテンツ及び教育課程の実践とその評価に向けた準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は,全体研究会を4回開催した。第1回研究会は6月9日に開催し,研究構想を共有し,教育課程開発準備に向けて各班の研究計画を洗練した。第2回研究会は日本科学教育学会年会(東京理科大で8月27日~29日に開催)の課題研究発表と連動させ,各班の研究発表を行った。第3回研究会は12月15日に開催し,研究進捗の確認と次年度の研究計画の検討を行った。第4回研究会は3月5日に開催し,アメリカの科学教育の動向,米英をはじめとした諸外国での才能教育の取組についての情報交換を行った。3つのフェーズごとの達成度は,以下の通りである。 【フェーズ1】新しい科学教育の動向を考察した結果,新たな科学の本質(Nature of Science)が議論されていることや,分野の学際化から分野の再統合化(工学を入れたSTEMや,Advancing Physicsほか)へと新たな教育課程編成の在り方が模索されていることが明らかになった。 【フェーズ2】数理班,理科班の各々でコンテンツの具体例の開発に向けた検討が行われ,それらのコンテンツの一部については,学校現場での実践が行われ,コンテンツの洗練作業が進められた。同時に,コンテンツを用いた実践を通して,「卓越性の科学」の教育課程編成理論を構築するための示唆の分析を進めた。また,心理学者及び科学教育学者が中心となって進めた考察では,新しい能力論,目標論,心理学に立脚した認識形成論,評価論に関する最近の研究成果をレビューするとともに,学習コンテンツ及び教育課程の実践とその評価に向けた準備を進めた。 【フェーズ3】科学者と科学教育学者が中心となり,カリキュラムと学習コンテンツの開発に関して考察を進めた結果,これまでの概論的知識体系からイノベーションを基盤とした研究的知識体系を基盤にした新しいカリキュラムが提案された。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は,全体研究会を3回開催する予定である。。第1回研究会は6月2日に開催し,初年度の研究成果を共有するとともに,今年度の研究計画を洗練する。第2回研究会は日本科学教育学会年会(三重大で9月6日~8日に開催)の課題研究発表と連動させ,2班(基盤カリキュラム構想,コンテンツ開発と実践化)に分かれて研究発表を行う。第3回研究会は年末頃に開催し,研究進捗の確認等を行う。さらに,各研究会を通して,成果報告書作成の準備を進める。3つのフェーズごとの研究推進の予定は,以下の通りである。 【フェーズ1】1年次の研究成果に加えて,国内の先進的な取り組み及び諸外国の教育課程や教科書を調査対象として「卓越性の科学」の教育課程編成理論を構築するための示唆を明確にする。ここでの知見は,フェーズ2のコンテンツ開発及びフェーズ3の教育課程編成理論の構築の基盤となるものであり,初年度に作業を進めているが,本年度はその補完作業を進める。(主として数理班と理科班が行う) 【フェーズ2】フェーズ1で得られた先進事例の検討結果を参照しながらコンテンツを開発する。さらに,それらを実践し,実践結果を評価して改善点を反映した学習コンテンツを作成し,再試行してコンテンツのブラッシュアップ作業を行う。(数理班と理科班がコンテンツ開発等を,心理班は実践評価の準備を進める) 【フェーズ3】フェーズ1の国内外の先進事例分析をもとに「卓越性の科学」の教育課程編成理論に対する示唆を得る。これは,フェーズ2で学習コンテンツを開発する際の研究仮説としても機能するものである。(主として数理班と理科班が行う)
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