研究課題
以下の4つの研究項目について実験を行った。(1)MALM、及び(2)MIVの解析: IP-2DICAL法を駆使して、MALM及びMIVに重要な働きを有するMieap結合タンパク質を同定する。同定されたMieap結合タンパク質は、遺伝子工学や細胞生物学及び生化学的手法を用いて、その機能解析を進める。(3)実験動物を用いたin vivo解析:Mieapによるミトコンドリア品質管理機構が、個体の発生及び出生後の生命活動にどのような役割があるかを調べるためにMieapノックアウトマウスを作成し解析する。MieapノックアウトマウスよりMEFを樹立して、細胞レベルでのMieap制御性ミトコンドリア品質管理機構の生理的意義を明らかとする。Mieapノックアウトマウスと大腸がん・胃がんモデルマウスとの交配を行い、大腸がん・胃がんなどにおけるMieap制御性ミトコンドリア品質管理機構のin vivoでの役割を明らかとする。(4)臨床がん組織における解析:がん臨床検体の収集と解析を行う。大腸がん・膵がん・胃がんなど、様々ながん種に関して、国立がん研究センター中央病院や共同研究施設で治療を受けたがん患者の余剰検体から、それぞれのがん種について50例程度の臨床検体を選定し、ゲノムDNAを抽出し、Mieap及びBNIP3のプロモーターに関してメチル化の有無を、p53に関しては変異の有無を調べ、さらには免疫組織学的解析を行い、p53/Mieap/BNIP3経路の臨床がん組織における異常を解析する。以上の解析結果から、Mieap制御性ミトコンドリア品質管理機構は、マウスからヒトまでの細胞に存在する低酸素応答性の生理的細胞機能であること、またその異常は、ヒト臨床がんで高頻度に発生しており、生体内においてがんの発生・増殖・浸潤・転移にきわめて重要な役割を果たしている可能性が強く示唆された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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医学のあゆみ
巻: 250 ページ: 505-510