研究課題
平成27年度には、(1)気管支上皮特異的なMOB1欠損マウスを作成し、胎生期からMOB1を欠損させると呼吸窮迫症候群を呈して出生直後に死亡すること、生後MOB1を欠損させると、17型コラーゲンの発現が減弱し、気管支上皮が剥離して、化学発癌に抵抗性になることを見出した。またこれらの原因はMOB1-YAP1/TAZ-NKX2.1を介して起こることも見出した。(2)子宮上皮でMOB1を欠損させると腫瘍形成が起こるものの、染色体分裂異常からp53が増加し、上皮内癌に留まることを見出した。(3)Hippo経路を標的とする薬剤を単離し、この薬剤が肝細胞特異的なMOB1欠損マウスにみられる胆管がんや混合性肝がんの発症を抑制することも見出した。(4)NF2について我々は、NF2が細胞密度依存性に(しかしHippo非依存性に)Lin28Bとの結合を制御し、let-7 miRNAを介して腫瘍抑制に働く経路を見出した。(5)その他p53を制御するPICT1蛋白質は、非常に不安定なためにその解析が困難であったが、PICT1の安定変異体を見出すことができた。(6)インスリン感受性や食餌摂取抑制非依存的に、レプチンがPTEN欠損にみられる脂肪肝表現型を顕著に改善することを見出し、その効果は肝臓におけるβ酸化の亢進によると類推された。(7)プロオピオメラノコルチン発現神経細胞特異的にPTENを欠損させると、てんかんを発症し、mTOR抑制剤(ラパマイシン)はてんかんの発症を抑制したことから、AKT-mTOR経路がてんかんの発症に重要であることを報告した
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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