研究概要 |
本研究の目的は,太平洋,インド洋,日本海・日本近海における微量元素の鉛直断面分布とストイキオメトリー(化学量論)を明らかにすることである.平成25年度の主な実績は以下のようである. ● 生物活性微量金属(Al, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Cd, Pb).(1)エチレンジアミン三酢酸型キレート樹脂固相抽出で一括濃縮するため,無汚染自動濃縮システムを開発した.洗浄方法,操作方法を最適化した.当初の目標のように,操作ブランクを外洋海水濃度の10分の1以下,相対標準偏差を5%以内とすることにほぼ成功した.沿岸海水および外洋海水の標準試料の分析を行い,正確さを評価した.(2)日本海,太平洋で得られた試料を用いて,溶存態および全可溶態濃度の分析を進めた.(3)海水中銅安定同位体比のインド洋,太平洋における分布をあきらかにし,結果を論文にまとめて投稿した. ● その他の元素.貴金属(Pd, Pt, Au).エチレンジアミン型キレート樹脂固相抽出-蒸発乾固を用いる濃縮とHR-ICP-MSに基づく新規分析法の開発を進めた.ビスマス(Bi). Biの海洋における分布を調べ,結果を学会発表した.セレン(Se).蛍光検出器を更新し,分析法の改良を進めた. ● 日本周辺海域および東大阪市で採取した大気エアロゾル中の金属濃度を調べ,結果を学会発表した.
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