研究課題
DNA損傷応答研究における今後の課題は、細胞レベルで明らかにされてきた損傷応答機構が、実際の個体内(体組織レベル)でどのように制御され,発がん等生体影響につながっているのかを明らかにする事である。本申請では、メダカにおいてDNA損傷応答を体組織レベルで解析する系の樹立を目指す。既に作製している損傷応答のキープロセスに関わる主要遺伝子のメダカ変異体を基盤に、Transgenic (TG)個体あるいはトランスポゾンベクターにより体細胞モザイクをを作製し、遺伝子機能解析系を構築するのが基本戦略である。本年度は以下の事を実施した。1)変異体の利用:樹立している損傷応答遺伝子変異体についての表現型チェックを行うとともに、昨年度に引き続きこれ等変異の透明メダカ系統STIIへの導入を行った。2)体細胞モザイクの作成:体細胞モザイク作成は,①piggyBac(PB)トランスポゾンベクターによる体細胞への高効率遺伝子導入法、②赤外レーザによる局所的遺伝子発現誘導系の2方法により行う。①昨年度来、PBベクターを用いたBACクローン遺伝子導入法の開発を行っている。この手法開発上の問題点は、Recombineering(RN) によるBAC クローン操作の効率の悪さ、ベクター内のinsertの安定性の悪さ、極めて長いゲノム領域(>30kb) のベクターへの導入の困難さ、である。 今年度は i) RN の効率を上げる, ii) 30kb以上の長さのinsertをPBベクターに組み込む手法の開発によりこれ等問題点の解決を行なった。②昨年来、メダカ体細胞においてCre/loxPによるゲノム編集をヒートショックで制御する系の樹立を行なっている。最大の問題点は、非照射細胞でもCreが発現してしまうバックグラウンド(BG)の存在である。本年度は、この低減化を目指した。樹立した複数個のTGラインをスクリーニングし、低BGのラインを選別するとともに、BG細胞を特異的に除去する手法の開発を行なった。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (6件)
Mutat Res.
巻: 760 ページ: 24-32
10.1016/j.mrfmmm.2013.12.004
Mar Genomics
巻: 14 ページ: 23-37
10.1016/j.margen.2014.02.001.
Cancer Sci.
巻: 105 ページ: 409-417
10.1111/cas.12369.
Health Phys.
巻: 106 ページ: 565-570
10.1097/HP.0000000000000020.
PLoS Biol.
巻: 12 ページ: e1001839
10.1371/journal.pbio.1001839.
PLoS One.
巻: 9 ページ: e95364
10.1371/journal.pone.0095364.
Cell Rep.
巻: 7 ページ: 1056-1064
10.1016/j.celrep.2014.03.072.
Endocrinology.
巻: 155 ページ: 3136-3145
10.1210/en.2013-2060.
Mol. Cell. Biol.
巻: 34 ページ: 4464-4473
10.1128/MCB.00711-14.