研究課題
6種類の精製組換えタンパク質因子(XPC、TFIIH、XPA、RPA、ERCC1-XPF、XPG)によって再構成した無細胞ヌクレオチド除去修復(NER)反応系を用いて、さまざまな内因性DNA損傷の修復活性を検討した。その結果、8-オキソグアニンやO6-メチルグアニンがほとんど修復されなかったのに対し、チミングリコールや脱塩基部位がNERによって有意に切り出されることを見出した。昨年度までに脱塩基部位がXPCをリクルートすることで近傍のシクロブタン型ピリミジン二量体(CPD)の修復を促進することを明らかにしたが、上記の結果はXPDヘリカーゼの5'→3'方向の移動が脱塩基部位によって停止する場合と、停止しない場合がありうることを示唆している。また、この再構成NER反応系を用い、TFIIHに含まれるcdk-activating kinase module (CAK)がXPDヘリカーゼ活性およびDNA損傷修復活性を抑制すること、XPAタンパク質がXPDヘリカーゼ活性を促進し、DNA損傷の最終的な確認機構において重要な役割を持つことが明らかとなった。さらに、環状二本鎖の損傷DNA基質を制限酵素により直鎖状にしたり、DNAトポイソメラーゼを反応系に添加することでNER活性が著しく低下することを見出し、DNAのトポロジー状態(細胞内においてはクロマチン高次構造の状態)が、おそらくはDNA損傷認識に影響を与えることでNERの効率を制御している可能性が強く示唆された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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