研究課題
大規模RI製造用に設計された新照射装置を設置し、ビームラインの整備及び各パートの駆動チェック、コントロールシステムの整備とテストを行った。また、既存照射装置でPET用核種(127-I、62-Znなど)の製造と供給、共同研究としてイメージングの基礎実験、同照射装置や中性子用照射装置で99m-Tcの製造テストなどを進めた。また、H26年度は前年度加速器システムの故障により延期していた照射装置の詳細なテストを行うとともに、新装置で実際に核医学診断用の99m-Tcやがん治療用の211-Atを製造した。新照射装置は、前年度に引き続き、所定の駆動(ターゲット周り、ターゲットの移動、ヘリウム冷却装置など)がオフビームで確認された。次に、ビームラインとチェンバーの遮蔽の強化を行った後に、遅れていたビームを使った照射テスト実験を複数回行った。ターゲットへのビームフォーカスとモニター、ターゲットの冷却系のチェック、照射終了後のターゲットの株の鉛保管庫への移動、残留線量のチェックなど、各課題について詳細にテスト実験を行い、実用に供せることが確認された。前システムと新システムを使用し、99mTcの製造法の改良、211Atの製造法開発、及びH26年度からスタートした191-Ptの製造法開発を進めた。
2: おおむね順調に進展している
当初の目標である核医学用の多量RI製造措置が完成し、そのシステムの性能が確認された。実際に99m-Tc、191-Ptや211-Atを製造しラットに投与し、その体内分布を調べるなどの基礎研究を行った。その他のPET用RI標識化合物の合成もほぼ予定通り進んでいる。
本来H25年度予定の装置のテストが終了したため、H26年度は核医学用新規核種として191-Ptの製造法の開発を行う(H26年度分の報告書で記載済み)。平成27年度は、照射装置の開発では大規模製造のためのテスト実験とターゲットシステムの改良を進める。さらに、可能な範囲で製造装置を用いたRI製造の実施、及び標識化合物の合成、更にはin vitro, vivo での試験検査を進めていく。特にα内用療法として注目されているアスタチンについて、製造―分離・精製―標識化合物合成について効果的な方法を研究開発する。またPET核種、その他の核医学用RIについてもバラエティーに富んだ製造方法を研究する。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 8件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)
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