研究課題
単層カーボンの持つナノスケール空間とその空間を構成する壁にあるエッジの特異的な化学作用を明確にすることが目的である。この研究目的のために、カーボンエッジとナノスケールカーボン細孔空間が協奏的効果を発揮すると期待できる、これらが共存している系を創製あるいは研究に取り入れ、気体吸着性および物質変換能を検討した。エッヂ炭素とナノスケール空間との協奏的作用が関係しているとみられる例を以下のように示した。①エッジ構造とナノスケール空間の共存系として、ナノグラフェンからナノ細孔性グラフェンモノリスの創製に成功した(Carbon2013)。そこでエッジ構造に鋭敏な水蒸気吸着性を調べた。②カーボンナノ空間の際立った化学作用として、金属的な原子が1次元配列した硫黄鎖結晶の創製した(Nature Comm. 2013)。③細孔壁をグラフェン様にまで高賦活したメソ細孔を有する活性炭がメタンハイドレート結晶の生成速度を自然界よりも10倍以上増大することを示した(Nature Comm. 2015).④エッジカーボンが低圧吸着に影響する疎水性スリットカーボンの水蒸気吸着機構を示した(Nature Chem. 2015).⑤単層カーボンナノチューブバンドルにエッジ炭素のモデルとしてナフタレンとその誘導体をドープし、ナノスケール空間の局所電場を増強すると二酸化炭素吸着能が増大することを明らかにした(Adsorption 2013, Faraday Dis 2014).⑥モデル的にエッジ炭素のみからできているナノカーボン空間系としてカーボンナノリングの構造と極性分子吸着性を検討したところ、可逆的な格子ひずみを伴う吸着が起こることを明らかにした(投稿中)。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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