研究課題/領域番号 |
24241041
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
米澤 徹 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90284538)
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研究分担者 |
石田 洋平 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00726713)
藤野 竜也 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (20360638)
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研究期間 (年度) |
2012-10-31 – 2016-03-31
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キーワード | ナノ粒子 / 半導体粒子 / 金属酸化物粒子 / 質量分析 / 脱離 / イオン化 / SALDI-MS |
研究実績の概要 |
液中プラズマ法によって合成されたナノ粒子、そのなかでもタングステンブロンズについてその構造と物性評価を行った。STEM(走査透過型電子顕微鏡)、特にHAADF(高角度散乱暗視野)像から、得られたタングステン酸化物の原子レベルの構造を明らかとし、酸素欠損の位置を明確に決定づけた。さらには、合成時におけるプラズマ発生電極周囲のガス条件を変化させることで、プラズマ内に発生するラジカル種の制御が可能であることを見出し、プラズマの温度や酸化還元挙動をあやつれることを明らかとした。こうして、さまざまなタングステンブロンズの合成を可能とした。得られる酸化タングステンはいずれも酸素欠損を含むことがあきらかであったが、条件によってその状態は変化した。そして得られたナノ粒子を用いたSALDI-MSによる検証を行った。さらに、ナノチューブ状のチタニアをSALDI-MS基板として有効ではないかと考え、その作成に取り組んだ。その成長メカニズムなども解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
LDI-MS装置を導入し、ナノ材料をもちいたSALDI-MSについて鋭意検討を重ねた。さまざまな波長を吸収できるナノ材料はいくつか合成できイオン化に供することが可能となっている。そのなかで、液中プラズマ法によるナノ粒子合成について得られた粒子としての物性が非常に興味深く、その点の解析を行ったこと、また、金属ナノ材料についても、興味深い物性が得られており、急いで解析できた。このようにナノ材料の合成は進んでおり、様々な波長で光を吸収するナノ材料が合成できている。一方で、波長可変のLDI-MS装置のイオン化効率があまり高くならず、現状では脱離イオン化の評価が困難であるところが問題点としてある。
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今後の研究の推進方策 |
まず、SALDI-MS用にもちいるナノ粒子の物性評価を確実として、ナノ粒子研究としての評価を確実なものとしたい。
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