研究課題/領域番号 |
24241043
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
半田 宏 東京工業大学, 生命理工学研究科, 教授 (80107432)
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研究分担者 |
青木 伊知男 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, チームリーダー (10319519)
川野 雅章 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (30447528)
松井 政則 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (50199741)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ウイルス外殻タンパク質 / 自己集合化 / DDS用キャリア / アジュバント効果 / ワクチン製剤 / ナノデバイス |
研究概要 |
次世代医療における新規診断・治療技術開発を目指して、核酸、タンパク質、薬剤などを生体内の標的細胞・組織に適量運び込むために、我々は独自にウイルス粒子の外殻タンパク質の持つ多機能(自己集合化能、ゲノム包含能、細胞認識・識別能、細胞内侵入能等)に着目し、外殻タンパク質から成るナノデバイスを考案し、実際に開発することに成功した。それを基盤として、生理活性物質を内包した細胞指向性ナノデバイスを作製し、その有効性を検討した。その内包技術に関しては、外殻タンパク質の裏打ちタンパク質を利用することや核酸を使う方法を開発した。細胞指向性を付与する技術に関しては、外殻タンパク質を遺伝子工学的に改変する方法と化学的に改変する方法の開発と、その両者を併用した新たな技術を開発した。その結果、生理活性物質を内包し、それを標的とする細胞に選択的に運び込むことができるデバイスのプロトタイプの作製ができた。また、遺伝子工学的に外殻タンパク質中に、ウイルスやがん細胞の抗原決定基であるエピトープを組み込んだ改変外殻タンパク質からなるナノデバイスは、試験管レベルおよびマウスによる実験動物レベルの両方で強力なアジュバント効果を発揮することがわかり、ワクチン製剤としての実用化の可能性も出てきたので、ウイルス外殻タンパク質から成るナノデバイスのDDS用キャリアおよびワクチン製剤としての両方の実用化を視野に入れて、これからさらに研究を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初目的はほぼ完成されており、想定外の高いアジュバント効果が得られたので、これまではエピト-プをナノデバイスの外側に固定化していたが、今年度は、ナノデバイスの中に内包したものや、あるいは外側と中側の両方に持つものでアジュバント効果を検討する。
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今後の研究の推進方策 |
人工合成バイオナノカプセルに高いアジュバント効果が見られたので、この原因を科学的に証明する研究を推進すると共に、実用化に向けた応用研究も並行して行う。
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