研究課題
最終年度であり、基盤研究で重要性が明らかになったテーマに絞った応用研究を実施した。分散装置での超音波処理CNTは粒径測定の結果、繊維1本1本の状態でない事が確認されたため、新たな高出力超音波装置を購入し、物理的界面の違いによる細胞応答性を比較した。その結果、細胞とCNTとの界面の応答はシンプルなカスケードではなく、マルチなカスケードによる複合的な反応である事が明らかとなった。CNTを単独で立体構築し力学的強度を高めたブロック体を作製してrhBMP-2を添加し、マウスの背筋内に移植したところ、十分な異所性骨形成を認めた。MC3T3-E1をブロック体上に播種し、コラーゲンよりも多く接着することを確認した。さらにCNTを連結した多孔質形状に形成したところ、良好な細胞増殖能、骨伝導能に加えて、薬剤を保持・徐放する能力に優れていた。単に骨欠損を充填するだけでなく、細胞を培養して移植するscaffoldや、薬剤を添加して徐放させるための担体としての能力を有することを明らかにした。癌骨転移に対する治療のためのDDSにCNTを応用し、抗癌剤であるcisplatinの付加に成功した。このcisplatin付加CNTをラットの乳癌細胞に入れたところ、control群では乳癌細胞は増殖し続けたのに対し、抗癌剤付加CNT群では乳癌細胞が減少した。また、ラットの脛骨に乳がん細胞を局注し骨転移モデルを作製し、病巣にcisplatin付加CNFを入れ経時的に観察した。リンパ管内でナノ粒子がどのように送達されるかを評価する新規イメージング技術でCNTの分散を検討した。またリンパ管の自発性収縮への影響を観察し、CNTにより自発性収縮の連続的な動きが乱れ停止と再開を繰り返し、リンパ管が次第に拡張していき自発性収縮の振幅が縮小する様子などが捉えられた。さらにCNTはリンパ管内壁に接着しやすいことを明らかにした。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Materials
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