研究課題
基盤研究(A)
本申請研究の目的は、グラフェンの特殊なエッジ原子配列(zigzag型)を制御創製し不純物元素で終端することで、磁性元素を用いずに磁性を発現させ、磁石・スピントロニクス素子を創製することである。本年度は、グラフェン上に形成した蜂の巣状の六角形ナノ細孔アレイの細孔形成技術を向上させ、zigzag細孔エッジの水素終端で再現性良く強磁性を発現させることに成功した。またイオン化液体をこの細孔グラフェン上に滴下し、細孔エッジの電子状態を観察することに成功した。さらに、この強磁性グラフェン細孔アレイ(FGNPA)を電極に使ってFGNPA/SiO2/Coからなるトンネル磁気抵抗(TMR)素子を初めて創製し、TMR動作の確認に世界で初めて成功した。
2: おおむね順調に進展している
強磁性発現の再現性向上や細孔エッジの電子状態観察に成功、また強磁性グラフェンナノ細孔アレイを電極に使ったTMR素子創製という大きな進歩があった反面、細孔エッジのzigzag型への制御はまだ不十分である。
細孔エッジのzigzag型への制御方法をさらに各方面から試作検討する。また、TMR素子を完全磁性元素フリーにするために、Co電極を用いずに2つの強磁性細孔グラフェンでトンネル酸化膜を挟んだ接合にすると共に、トンネル膜をSiO2からAlOなどの格子整合がとれたものに替える。さらに、効率の良い方法細孔エッジの水素終端方法を開発する。
すべて 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 6件) 図書 (3件) 備考 (1件)
Jorrnal of superconductivity and novel magnetisms
巻: 26 ページ: 1037
Special Issue on "Carbon Nanoelectronics" in Electronics
巻: 2 ページ: 368-386
Innovative Graphene Technologies: Developments, Characterization and Evaluation
巻: 2 ページ: 7-26
ISBN-10: 1847359663
http://www.ee.aoyama.ac.jp/haru-lab/