研究課題
本研究は,想定外リスク環境下でも交通移動体の安全確保が可能なレジリエンスを備えた多層的安全制御システムの開発と,時間・情報制約下での人の認知・判断の特性を踏まえた刑事過失責任に関する新しい法理論の提案を目指すものである。そのために,全期間に渡って三つの研究アスペクト(ヒューマンファクター,エンジニアリングデザイン,権限と責任)を設け,個別目標を定めて研究を遂行した。平成26年度の研究成果は以下のとおりである。ヒューマンファクター研究アスペクトでは,社会・技術システムのレジリエンス概念の実装,特に,組織構成員のレジリエンス行動の評価育成,組織のレジリエンス性評価の方法論,レジリエンスの失敗を「隠す」行動について,理論と実際の両面から検討した。また,個人とチームのレジリエンス能力向上のための教育方法に関する試行訓練(航空会社1社,鉄道会社2社)を比較し,想定外事象への対応力向上を確認した。さらに,製造業,医療機関,航空会社での質問紙調査を行い,組織的公正感が個人の自律的安全行動に好影響を与えることを確認した。エンジニアリングデザイン研究アスペクトでは,モニタを介して視覚的にロボットアームを遠隔操作する人間―機械系で視覚情報が喪失されるとき,聴覚情報で指示を代替することによりシステム破綻を回避するレジリエントなシステムの設計指針を策定した。権限と責任研究アスペクトでは,自動車走行中の想定外事象発生時に,人の判断・制御の余地を残しながらも機械がその能力範囲内で最大限の制御を行う双対制御論的システムを構築し,認知工学的実験によって有効性を検証した。また,先進技術導入によるリスクとそれに伴う被害について,わが国の法システムにおける責任追及モデルのあり方,大陸法システムの限界,英米型法システムの導入可能性等を検討した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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