2011年東北地方太平沖地震は,プレート境界深部と海溝軸付近の両方がほぼ同時に破壊した.この新知見に基づいて,日本海溝で発生した869年貞観地震と千島海溝で17世紀に発生し北海道東部に津波堆積物をもたらした巨大地震の規模を再検討すると,ともにM8.8以上となった.北海道・岩手県・福島県では,さらに古い巨大地震による津波堆積物を発見した.日本海溝・千島海溝において,数十年間隔で繰り返し発生するM8クラスの地震の他に,約400~600年間隔でM9クラスの巨大地震が発生したこと,すなわち,スーパーサイクルモデルが成り立つことが分かった. M9クラスの地震についての即時的な津波浸水予測方法も考案した.
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