研究課題/領域番号 |
24241061
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
汪 発武 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (10324097)
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研究分担者 |
丸井 英明 新潟大学, 災害・復興科学研究所, 教授 (10219545)
志比 利秀 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (60311792)
小暮 哲也 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (70534006)
松本 健作 群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (90302455)
酒井 哲弥 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (90303809)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 土砂ダム / 決壊前兆 / 現地調査 / チェーン微動アレイ / 自然電位 / 模型実験 / 動水勾配 / 予測 |
研究実績の概要 |
1)2015年6月にネパール大地震によって発生したKaligandaki土砂ダムの現地調査を行い、中央断面における自然電位の計測を行った。土砂ダムは粉砕された岩塊でできているため、すぐ決壊に至った経緯を究明した。自然電位の測定結果は、地下水位が深いほど、電位が高くなっていることが分かった。これの調査結果をもとに整理した論文は国際学術誌「Geoenvironmental Disasters」に投稿中である。 2)2015年9月にキルギスにおけるKal-tor地すべりダムの調査及び計測を実施した。この地すべりダムの形成時代・原因が不明であるが、かなり大規模である。長年の浸透により、ダムの内部構造が緩くなり、何時か決壊する恐れがある。地すべりダムの下流側で測線を設け、チェーン表面波微動アレイ探査、自然電位探査を実施した。その結果、ダム堤内、地下水の流路にあたるところは顕著にゆるくなっていることが確認され、自然電位も流動地下水の通路では低くなっており、地下水の深いところでは、高い自然電位が示された。調査結果を国際学術誌に投稿準備中である。 3)江島で前年度実施した大型土砂ダム崩壊実験の結果に基づいて、データを取り直すための実験を実施した。これまでの実験結果と合わせて、国際学術誌への投稿を準備している。 4)室内で小型土砂ダム崩壊実験では、ダム下流側の動水勾配はパイピング現象の主要原因であることを見出し、臨界動水勾配をダム決壊予測の主因子として提案を行った。研究成果は国際学術誌「Geoenvironmental Disasters」に受理され、印刷中である。 5)2015年8月上旬国際地質災害軽減学術会議(プラハ)、8月下旬日本地すべり学会研究発表会(山形)、11月上旬アメリカ地質大会GSA2015で研究成果の一部を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画している調査、実験はほぼ完成しており、残る最終年度には、研究成果のまとめ、発表、報告に努める。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の成果を新たに発生する土砂ダムの決壊予測に適用し、その有効性を検証したいと考えている。
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