研究課題
交配を介さずに片アレル遺伝子変異から両アレル遺伝子変異への変換を効率よく行うシステムをマウスES細胞で樹立したので、この原理をヒトiPS細胞に応用し、ヒトゲノムに潜んでいる疾患関連遺伝子を交配することなしに、両アレル変異体に変換することを目標に実験を行った。ゲノムに内蔵する劣性変異のホモ接合体化のモデル実験片アレルのAAV遺伝子座にNeoとPuro遺伝子がプロモーターに対して逆向きに配置されたレポーターを挿入した。NeoとPuro遺伝子の外側は逆向きのloxp配列が配置されている。ブルーム遺伝子をドキシサイクリンでオフにした状態で交差反応を検討した。さらにCRISPR/Cas9システムを利用してアレル特異的にDNA2重鎖切断を導入し同時にCREも導入したところ、ブルーム遺伝子オフ状態でCRISPR/Cas9でDNA2重鎖切断を導入した時だけホモ接合体化が促進された。 ゲノム領域を探索したところ、CRISPR/Cas9システムでDNA2重鎖切断を導入した近傍に交差が起きていることが判明した。これらの結果は、ヒトiPS細胞ゲノムに内蔵する片アレル変異を両アレル変異体に変換できることを示しているので、AAV遺伝子座以外でも同様の現象が起きるか検討中である。今後、レポーターがホモ接合体化される時に、ヒトゲノムに潜んでいる疾患関連遺伝子も同時にホモ接合体化される可能性があり、その表現型を解析することにより未知の疾患関連遺伝子が同定されることが期待される。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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巻: - ページ: -
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